Our Destiny Forever 【サンジ】 (ページ27)

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//宴// ページ27

「サンジー！これなんて名前の飯なんだ？」

「あァ…肉じゃが…だったか、Aちゃん。」

「え？えぇ。そうよ。」

その日の夜、宴が始まり船内はどんちゃん騒ぎ。

甲板の真ん中に大皿で置かれているのは、肉じゃが。

糸こんにゃくなんてあったんだ…。

皆が美味しい、美味しい、と食べてくれて、私が作ったわけじゃないのに嬉しくなる。

それより気になったことがひとつ。

サンジはご飯を次々に作っているせいで、全然ご飯を食べれていない。

「サンジ。」

ナミとロビン(2人に呼び捨てでいいと言われた)に説明し、ルフィさん達にバレないようにキッチンにやってきた。

「Aちゃん…！？」

「サンジのご飯は私が作るわ。」

「え、でもこれは君のための宴で…！」

「いいの。久しぶりに私も腕振るうわ。サンジには、負けるけど。」

サンジを椅子に座らせ、キッチンに立つ。

和食にしようかしら…。

彼が普段食べてないものを出そう。

2年前のあの日、彼に作った食事と全く同じメニューをこの世界の食べ物で作った。

「ん…美味い…。」

「あら、嬉しいわ。」

サンジの前の席に座り、頬杖を付きながら眺める。

お世辞交じりとはいえ、料理人に料理を褒められるのは嬉しい。

味噌汁は1人分作ったつもりだったけれど、少し余ってしまった。

私も飲もうかしら。

食器棚の中から出来るだけお椀に近い食器を出し、味噌汁を注ぐ。

そして先程の席に戻り、頂きます、と手を合わせる。

「ん…。」

一口すすると、落ち着く味がした。

「…落ち着いた？」

「え…？」

「そんな顔してたから。」

私の思ったことを的確に当ててくるサンジ。

たった2ヶ月でそこまで分かるなんて…。

「せーかい。」

ふ、と微笑むと返すように微笑んでくれる。

2年間我慢したこともあって、"愛しい"という感情が爆発しそうになった。

外から聞こえる騒がしい声に、ハッと現実に引き戻される。

そしてまた1口、味噌汁を飲んだ。

もし本当の2人きりの状態になったら止まんなくなりそう…。

味噌汁を飲み干し、シンクで食器を洗う。

…サンジ、さっきから黙ってるけど何考えてんだろ。

食器がぶつかる音も聞こえない。

振り向こうとした所で、お腹に腕が回った。