Our Destiny Forever 【サンジ】 (ページ16)

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//接吻// ページ16

「ただいま。」

「…！？おかえりなさい、Aちゃん。」

夕方頃。

外回り終わりに帰って良いとのことで、サンジには黙って帰ってきた。

バタバタと玄関に出てくるサンジは、ほんと…子供。

「あはは、ただいま。」

「〜〜っ…。」

「ん…？」

何かをこらえるように蹲ったサンジ。

体調でも悪いのか…？

背中を摩ると、顔だけコチラに向けた。

「どうした？…んんっ…！」

それは一瞬のことだった。

サンジの唇が、私の唇に触れる。

…そんなの、2ヶ月前に何度もしたじゃない。

そう言い聞かせているのに、喜んでいる自分がいて。

そのままドサッと玄関の床に押し倒される。

「っ……ん…。」

突然どうしたの…？

そう聞こうにも、口は塞がれていて絶対に無理。

口を開けようものなら舌が滑り込んでくるだろう。

でもそれも嫌じゃない。

そんな不純な自分を殴りたくなる。

彼は泣きながら私にキスしてるんだ。

恐らく本能的に、もう別れると悟ったのだろう。

…黙っていてもそこまでわかるようになるなんて。

自分でもびっくりだ。

「っ…！ふ…ぁっ…。」

息継ぎをしようと口を開けると、そのちょっとした隙に舌が入ってくる。

「んんっ…。」

「ん……っ…。」

彼とのキスは、タバコの味がした。

私の前ではあまり吸わないものの、夜にベランダで吸っているのを私は知っている。

甘い声と水音だけがそこに響く。

数秒した頃に、唇は離れた。

「…帰っちゃうの？」

「っ…ん……。」

小さく答えたサンジの肩は、震えていた。