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//浮遊物// ページ2

会社が休みだった土曜日の夜。



久しぶりに1日外に出て買い物をし、空も真っ暗になった頃。



私はお気に入りの愛車に乗って、海に来た。



田舎出身の私からしたら、ビルが沢山建っている街は息苦しい。



深く息を吸い込む。



「っはぁ…。……ん?」



黒い海の中に、プカプカと浮かぶ"何か"があった。



あれは……ゴミ?



東京の海にゴミがあるのなんて、日常茶飯事だ。



…でも。



あんな目立つ浮き方…するの?



私は履いていたパンツスーツを膝上までまくり上げ、ジャバジャバと水中に入る。



「これ…!」



そこに浮かんでいたのは、ゴミじゃない…れっきとした人間だった。



しかも、男。



あら、なかなかイケメン…。



って、そんな場合じゃない。



浮いているということもあり、引っ張る力は少しで十分。



波打ち際まで運び上げると、さっきまで見えなかった綺麗な金髪が見えた。



それにしてもこれは…人工呼吸した方が良いのか?



高校の時に習ったAED研修の時に人工呼吸の方法も教えてもらったから、出来なくもない。



でも相手男の人だしな…。



でも命の危険なんだから、戸惑っている暇はない。



私は意を決して、彼の胸に手を置いた。



腕をピンと伸ばし、力強く何度も押す。



そして躊躇いながらも、ピンク色の唇に自分の唇を合わせた。



それを数回繰り返す。



すると男の人は、ゴホゴホと咳き込んだ。



「起き、た…?」



ゆっくりと瞼を上げた男の人は、私を見て目を見開く。



「素敵なレディー!」



…はい?



そう言って起き上がった男の人。



「お名前は?」



片膝をついて手を出してくる。



何この人…変な人拾っちゃった。



「そんなことより、貴方海に浮かんでたんですよ?私が人工呼吸してまで助けたのに…。」



「じっ、人工呼吸!?綺麗なレディーに…ブフゥ!!」



鼻血を出して倒れてしまった男の人。



このまま置いて帰ろうか、とも思ったけどここまで助けたんだ。



「はぁ…。」



私は男の人の両足を持ち上げ、引きずるように車に乗せた。

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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 逆トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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セツ(プロフ) - __ne_mU_さん» ドキドキしてもらえて嬉しいです!頑張ります! (2019年10月22日 22時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
__ne_mU_(プロフ) - 面白いしどきどきする〜!がんばれ! (2019年10月20日 3時) (レス) id: 20793e417e (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - みかんちゃんさん» ありがとうございます!是非楽しみにしてて下さい(*^^*) (2019年9月27日 23時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 密かにずっと読ませて貰ってました!ドキドキの展開、続き楽しみにしてます (2019年9月26日 8時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セツ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月28日 13時

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