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「ママ、パパ…。また行くの?」



恵『っ…えぇ。いい子で待ってるのよ?』



「うん!いい子で待ってる!」



啓介『偉いぞー。それじゃ、頼んだよ。』



齋藤 (メグミ)と、齋藤 啓介(ケイスケ)



私の母と父の名だ。



母と父は、昔から私を置いてどこかへ出掛けていた。



当時小さかった私は、祖父母に預けられていたけれど。







「お母さん…お父さん…。またいつもの?」



恵『えぇ…。ごめんね、A。』



「やだっ…やだ!行かないで…!」



啓介『A…。』



小学生の時。



1度だけわがままを言ったことがある。



"行かないで"、と。



母も父も苦しそうな、悲しそうな顔をした。



「…!」



自分でハッとする。



私のこの一言で2人を困らせているんだ、と。



だから言っちゃいけない。



「…な、なんてね…!ご飯はもう私6年生だから出来るよ…?行ってらっしゃい。」



無理矢理口角を上げ、そんな言葉を放った。



その時の父と母は私の感情がわかっていたのか定かではない。



このくらいの時期からだろうか。



私が表に感情を出しにくくなったのは。







「…母さん。父さん。」



恵『ご飯は冷蔵庫だから。お願いね?』



啓介『恵。急ぐぞ。』



恵『えぇ。』



中学生にもなれば、私は1人で家に留守番。



会話は淡々としていた。



だけど2人からの愛情は確かに感じられて。



時々…本当に時々、2人の仕事が無い時は目いっぱい遊んだ。



母とは夢だったお菓子作りをしたり、父とは昔趣味でやっていたというプラモデル作りをしたり。



充実した日々を送っていた。



少し忙しいというだけで他は共働きの家庭と同じ。







.







.







そんな幸せな日々を送っていたのに____



ある日を境に、そんな幸せな日々は音を立てて崩れていった。

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ピコピコハンマー - 「気をつけて」は「を」です!とっても面白い作品です!これからも頑張ってください!! (2021年6月19日 9時) (レス) id: a1310badd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔理華 - 楽しみに待ってます! (2019年7月15日 20時) (レス) id: 28703d16e4 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 魔理華さん» ありがとうございます!頑張りますっ! (2019年7月13日 0時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
魔理華 - 面白かったです!続きが気になります!更新頑張ってください応援してます (2019年7月12日 7時) (レス) id: 28703d16e4 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 黎夢さん» ご指摘ありがとうございます!当方あまり弓道に詳しくなく、調べた限りの事で更新しておりました…。良ければ、改善点を教えていただけないでしょうか? (2019年7月8日 10時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セツ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年5月25日 11時

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