【名探偵コナン】怪盗キッドの協力者:2【怪盗キッド】

83 ページ33

「…お疲れ様。」



『疲れた…。』



私の居た部屋に快斗が入ってきた。



『…さっきイヤホンから離れてたろ。何があった。』



「……ガーネット。」



『え？』



ボソリと呟いた言葉に、快斗が反応する。



快斗の手には赤黒く光る宝石が握られているが、私の言う"ガーネット"はそれでは無い。



「赤の組織のガーネットと呼ばれる人がこの部屋に来たの。」



『赤の、組織…！？』



「えぇ…。さっき…！」



続きを言おうとした途端、ガンガンとドアを叩かれる音がした。



『追っ手か！？』



「この部屋、窓あるからこっち。」



パソコンを持ち、窓から飛び降りる。



中森『…！キッドだ！』



『っ…時間がねぇんだっつーの……！』



こちらに向かってくるヘリのプロペラをトランプ銃で止める。



そしてキッド捕獲用に張られていたネットに落ちていった。



コナン『ねぇ警部さん！キッド、女の人抱えてるよ！』



中森『なぬっ！？』



「…このままじゃバレる。路地裏に行きましょう。」



『…いや、そこは多分例の組織がいる。』



「う、わっ…！？」



いきなり方向転換した快斗に驚き、思わず首にしがみつく。



パソコンは必死に掴んでいるが、下手したら落ちるだろう。



『遠くまで行くぞ。』



「遠く…！？」







そう言って着いたのは、米花町の大型マンションの屋上。




「…夜景、綺麗ね。」



『呑気だな。』



「そんなのじゃないわ。」



風がなびく中、白いマントが揺れる。



『…さっきの話、詳しく聞かせてくれ。』



「その前に…貸して。」



宝石を受け取り、月にかざす。



パンドラじゃない、か。



『…また違ったか。』



「…えぇ。今度返しに行きましょう。」



『あぁ。それより、早く帰るぞ。』



「…！？」



またお姫様抱っこをされる。



「ちょ、ここ何階…！？」



『さぁ？』



「お、落ちるわよ…！？ちょっと……！！！」



真夜中に女の人の悲鳴が響いたとか。

84→←82

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す