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ヴーヴーヴー ヴーヴーヴー
ん…なんだか頭が揺れてる…。
パチッと目を開けると、暗闇が広がっていた。
っ何!?
体を起こし、目を凝らすと歩美ちゃんや哀ちゃん、青子が居た。
…あ、そっか。
キャンプ中だった。
頭が揺れてたのはバイブ音のせいね…。
ケータイを見ると、快斗からの着信が。
「あのバ快斗…。」
3人を起こさないように小さく呟く。
幸か不幸か、真ん中の2人は小さいから、足を避けること無くファスナーを開けられる。
ケータイを握りテントから出て靴を履き、またファスナーを閉めた。
芝生の地面をウロウロとしていると、『A』と彼の声が聞こえる。
「快斗?」
『よっ。』
「何よこんな時間に呼び出して…。」
ケータイの画面を見ると、2:00と表示されていた。
『寝れなくてよ。』
「そう?私は寝てたけど。」
『少し歩こうぜ。』
「えぇ。」
2歩先を歩く快斗に着いていく。
着いた先は、展望台。
このキャンプ場には展望台があり、それも人気の理由の一つだ。
『案外風吹くな…。』
「そうね…。」
サー…時の揺れる音が心地良い。
ピチャンッ。
時々、水の音もする。
『あ、A上見てみろよ。』
「上?…わーっ……!」
上を見ると、そこには空いっぱいに広がる星があった。
「綺麗…。」
『ほんとに、な。』
「あの日の空とは大違いね…。」
『っ……。』
ほんと、違いすぎるほど綺麗。
じんわりと涙が溢れてきた。
『っA…!』
「大丈夫。」
伸びてきた手を止めるように彼の方を向いた。
「いつの間にか涙脆くなってたみたいね。でも、私は大丈夫。」
『大丈夫なやつは、泣かねぇよ。』
そう言った快斗は、ポンッと手から赤い薔薇を出した。
でも、普通の薔薇じゃない。
「蕾?」
『いーから持ってろよ。…A嬢?』
「…はいはい。キザな怪盗さん。」
薔薇の蕾を受け取る。
すると受け取った途端、グイッと腕を引かれた。
「ちょ、かいっ…と……。」
『綺麗なお顔が台無しです。良ければ胸を貸しますよ?』
…怪盗キッドを貫くつもり、か。
ったく、私は協力者よ?
中身を知ってる人にそんな事してどうするのよ。
バ快斗…。
……バ怪盗キッドでいいや、もう。
「ならお借りします。今回は。」
私はそっと彼の背中に手を回した。
新一&コナン誕生日記念specialstory(33話)/新蘭です/→←31
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セツ(プロフ) - 祟璃さん» すみません、キッドの誕生日なら気楽に書けたのですが、新一やコナンくんの誕生日だったので、この小説の夢主と絡ますのは変かな…と。不快に思われたのなら、申し訳ございません。 (2019年5月6日 10時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - こここさん» ありがとうございます! (2019年5月6日 10時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 明日の不思議さん» 楽しみにしててください(*^^*) (2019年5月6日 10時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - ミョンスさん» ありがとうございます! (2019年5月6日 10時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
祟璃 - キッドとのお話を読みにきたのに突然の新蘭で吃驚しました汗 必要ですかね?いや、新蘭は好きですけど...。 (2019年5月6日 1時) (レス) id: 53235c3c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年4月13日 0時