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「ん……。」



柚『あ、起きた。』



「柚ちゃん?」



柚『なんかすんごいイケメンがあんたのことお姫様抱っこして連れてきたわよ。』



イケメン…。



「い、イケメンってこの人!?」



私はケータイの画像を開き、さかたんの写真を見せる。



柚『あー、そうそうこの人。あとこれ。そのイケメンさんに渡された。』



小さなメモ帳が柚ちゃんの掌に乗っている。



私はそれを手に取り、開いた。



《三階の個室に居ます。少し話せますか。》



「えぇ!?」



パジャマから制服に着替え、急いで部屋を出る。



柚『ちょ、A!?…はぁ……。』



先生にバレないように注意しながら階段を上って行く。



「はぁっ…着いた…。」



3階は私たちが居る階よりもフロア自体が小さい。



その分人も少なく、高そうだ。



だけど個室が複数あるせいで、さかたんがどこにいるかが分からない。



「さ、さかたーん……って、聞こえないよね。」



ひそひそ声レベルの大きさだし。



それに、さかたんのあのメッセージ…リスナーだってバレたから?



「戻ろ。」



階段を降りようとしたその時…。



坂田『あ、さっきの!』



聞き覚えのある低い声が私の脳に響く。



「さかたん……?」



振り返ると、ニッと笑うさかたんが目の前に。



「…!」



思わず手で口を抑える。



目からは涙が1粒零れた。



坂田『手紙読んでくれたんやね。』



「えっと…まぁ。けどどうして私に?」



坂田『あ、そうそう。倒れた時にこれ落としてったやろ。』



渡されたのは、お母さん手作りのお守り。



「ありがとうございます…。」



坂田『うん。ほなねー。』



手を小さく振り、向こうへ歩いて行くさかたん。



背中が見えなくなったところで、おもわずその場にしゃがみこんだ。



「尊い…可愛すぎ…。」



お守りをぎゅっと握り、さかたんの通ってきた道を見る。



人生で1番幸せな日だ。



私は立ち上がり、ゆっくりと階段を降りていった。



広間に入ると、柚ちゃんはもう寝ていた。



そっか…もう2:00だもんね。



私も着替えて布団に潜り、目を瞑った。

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関西風しらすぅ@坂田家 - 浦島太郎ってうちのお母さんと間違え方完全一致してて草 (2019年5月11日 22時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
まお - お友だちと名前被った…。 (2019年5月6日 19時) (レス) id: 617dab01fc (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 続編ありがとうございます!!楽しみに待ってます! (2019年4月2日 10時) (レス) id: 7db9f137d3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編嬉しいです!楽しみにしてます!頑張ってくださいね (2019年4月2日 2時) (レス) id: ba67b17bbf (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - 続編本当にありがとうございます、、!これからも楽しみに待ってます! (2019年4月2日 1時) (レス) id: 5b4874d6d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セツ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年3月10日 12時

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