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ページ8

内蔵が浮きでるような浮遊感。



見えるのは窓から覗く憎たらしい呪霊の顔だけだった。



この私が、落下で死ぬ?そんなことあっていいわけ…!



「お姉さんが…!!」



「Aお姉さんっ!!」



「…!」



突然聞こえてきた子供たちの声にハッとする。



そうよ、子供の前で知り合いを死なす訳にはいかない。



地面まではあと10メートル。



大丈夫…死にやしない。



ちらりと視線を動かし見えたのは、怯える子供たちと伊地知の顔。



なに伊地知まで怖がってんのよ。



「補助監督ならっ…子供くらい守りなさい!!!」



「っはい!!」



空中から叫んだ私の声に操られるように子供5人を車の影に隠した伊地知。



よし、よくやった。



3尺5寸…今でいえば1メートル30センチもある岩融を廃ビルの壁にめり込ませ、地面近くで飛び降りる。



幸い植え込みがあったため、傷は少ない。



「伊地知。子供連れて逃げなさい」



「で、ですが…!」



「逃げなさい!!あんたも死ぬわよ」



「分かりました。すぐに五条さんに連絡をします」



「えぇ、よろしく」



「Aお姉さんっ!!っ離してよおじさん!」



「離してください!」



「離せ!!姉ちゃん守んねぇと…!」



伊地知の腕を噛んででもこちらに来ようとする子供たち。



…こんなに怖がらせてるのに、私を守ってくれようとするなんて。



なんていい子たちなの。



この子達と仲の良い警察は好きじゃないけど、子供たちに罪はないわ。



今だけは、コナンくんと哀ちゃんも例外じゃなく、ね。



ゆっくりと彼らに近づく。



「お姉さん、ちょっと頑張ってくるね。白い髪のお兄さんにもしも会ったら馬鹿野郎って怒っておいてくれないかな?」



「わかっ…た…」



涙を目にうかべる歩美ちゃんの頭を撫でる。



「後ろっ!!」



できるだけ怖くないように笑えば、コナンくんが焦ったように叫んだ。



「今子供と話してんのわかんない訳!?」



岩融を握り直し、後ろに突き刺す。



『おぉ怖い怖い』



避けられてしまったが、多少の感覚はある。



当たったか。



「早く逃げて!」



呪霊と岩融で戦いながら、車が去っていくのを音で感じる。



これで子供たちは安全になった。



あとはコイツを、祓うだけ。

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設定タグ:呪術廻戦 , 名探偵コナン , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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あさみ - 続き気になり過ぎます!楽しみに待ってます!、 (2022年5月25日 0時) (レス) @page9 id: b2fcc691e1 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - あの、3ページのvol.2廃ビルと肝試しの話なんですが、任務内容が路地路地裏になってしまっています。誤字でしょうか…? (2022年4月16日 10時) (レス) @page3 id: 9f47d6b5fe (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます! (2022年4月15日 23時) (レス) @page2 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セツ | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年4月15日 0時

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