暗殺人形 (ページ43)

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暗殺40 ページ43

廊下に出た私は人通りの少ない所へ移動し、通話ボタンを押した。

「電話は22時って約束じゃなかった？それとも……何かしでかしたからあえて掛けてきたのかしら？」

ハ「…そのまさかだ。」
冗談のつもりで聞いたのに本当に何かあったのね。
いつもより口調が重々しい。

「冗談のつもりで聞いたんだけど、その様子じゃ本当に何かあったようね。……で、何があったの？」

ハ「新たにネズミが2匹組織(ウチ)のUSBを持ち逃げした。」

「…ネズミに関しては私が潜入している所にしかいないはずよ。」
その2匹のネズミっていうのは一体何なのよ。

ハ「つい先日まではお前が潜入している所にしかいなかった。…だが3日前新たに組織の裏切り者が出た。USBを持ち逃げしてな。それが今言った2匹のネズミだ。」

「…悪いけど、その2匹のネズミまで私に殺せとか言わないわよね？生憎、こっちも貴方のおかげで仕事中なのよ。残念だけど他を当たって。」
そこまで私は器用じゃないわ。私だって一人の人間なんだもの。
それにしてもハーデスの奴何やってるのよ。
また新たにネズミを出して。
組織を潰す気？？

ハ「そこまで俺も鬼じゃねぇよ。お前は今の任務に集中しろ。他のネズミの処分に関しては既に他の奴らに行かせた。」

「ご苦労様。ネズミを出さないように貴方もくれぐれも周りの人間には注意することね。…で、また22時に掛けてくるの？」
今の電話は緊急報告みたいなものだったし。

ハ「俺は今ここで話しても構わねぇが。お前はどうだ？」

「悪いけどまだホテルに戻っていないの。外で聞かれちゃ不味い話もあるし、また戻ってからこっちから掛け直すわ。二度手間でごめんなさいね。」
正直、こんな話他の奴らに聞かれたら組織諸共一貫の終わりよ。

ハ「…そうか。じゃあ、22時だな。くれぐれもお前も他の奴らには気を付けるんだぞ。」
ブチ
自分から掛けてきたくせに先に切るんだから。
困った上司ね。

携帯を胸ポケットに再び仕舞い部屋に戻ろうと足を進めた時だった。

臣「廊下の隅で電話するとか、随分と変な趣味持ってんだな。」