暗殺人形 (ページ32)

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暗殺29 ページ32

―――…。
あの二人が去ってから私は再びネズミを見張っていたけれど、これと言って何も収穫はなかった。
気長に尻尾を出すのを待つとしよう。
今日ネズミを見つけただけで良い結果だったんだから。
ふと壁に掛かってある時計を見れば19：00を少し過ぎていた頃だった。

「思ったより時間が経っていたのね。」
もう今日の仕事は終わったことだし、早くホテルに帰ってハーデスと今後のことを打ち合わせしないと。
そう思い足を踏み出した。

ガチャ
突然ドアが開き人がゾロゾロと出てきた。
…しまった。ここで彼らが会議をしていたことを。
こんなところにいると私まで被害に遭ってしまう。
そう思い私はその場から急いで立ち去った………はずだった。

岩「あ！ユナさ～～ん！！」
仔犬がご主人様を見つけたかのように私に駆け寄ってきた。

「何。」
最悪。逃げられなくなったじゃない。

岩「あれから会えなくて寂しかったんだから…。あ！でね、本当に話したいことなんだけど今からTRIBE全員で食事に行くんだけど、そこでもし良かったらユナさんも誘おうかなって(笑)どうかな！？」

「嫌よ。」
何で私があんな大所帯の中にいないといけないのよ。

岩「え～～、何で！？絶対楽しいから！ね？それに俺ユナさんがいないとつまんないし…。」
この男、絶対後者が理由よ。
下心丸出しじゃない。

「悪いけど、仕事以外で貴方達に付き合う気も干渉するつもりもないから。分かったならそこ、どいてくれない？」

臣「じゃあこの食事、仕事だって言ったら付き合うんだ？」

「何が言いたいのよ。」

臣「この後の食事も人付き合いって言う仕事だ。付き合え。」

岩「臣さん！もう少し言い方ってものが…。」

臣「こうでもしねぇとコイツ来ないじゃねぇか。俺が言わなかったらどうやって誘ってたんだよ。」

岩「それは…。」

「…分かったわよ。」

岩「え？何が…？」

「聞いてなかったの？仕方ないから付き合ってあげるって言ってるのよ。…仕事としてね。」
本当は参加したくないけど、仕事って言われたら付き合うしかないじゃない。
それに、もし断りでもしたらこの男何をしでかすか分からない…。
要注意人物として見張ってる以上ね。

岩「本当に！？ユナさんありがとう～～～～～！！！」
…この男は単純な男ね。