暗殺人形 (ページ22)

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暗殺20 ページ22

トレーニングルームの入り口前に到着した私。
ありがたいことにドアはガラス張りになっているから、中の様子がはっきりと確認できる。
私はドア越しから中の様子を伺った。

「あの大柄の男…。」
私はハーデスから資料として貰った写真を出し、照らし合わせた。
………間違いない。例のネズミよ。
この男で間違いがないと確信した私は、どのように彼を見張ろうか考えていた。

ガチャッ
突然目の前のドアが開いた。
岩「ユナさ～～～ん！！どうしたの？何か困ったことでもあったの？そういう時は俺に何でも聞いて♪」

「別に…。ただ貴方達がちゃんとしてるか見に来ただけよ。分かったなら早く戻って。」

岩「心配してわざわざ来てくれたの…？嬉しいな～～、それだけのために会いに来てくれるなんて♡」
そんなこと一言も言ってない。
とんだ勘違い男ね。

？「コラ！勝手に抜け出したりして、まだトレーニング中だぞ！！」

岩「わわっ！！急に驚かさないで下さいよ～！」

？「俺のトレーニング中に抜け出すとは良い根性してるな？…ん？そちらの方は？」

岩「ユナさんだよ！昨日から俺達の護衛さんやってるんだ♪あ！だからと言って惚れちゃダメですからね！！」
仔犬が言ってることは無視無視。

「ユナです。初めまして。」

？「初めまして、一条と申します！すみませんね、岩田が迷惑をお掛けしてしまって(笑)」

「別に。…それよりこんなところで話してて大丈夫なの？まだトレーニング中なんでしょ？」

条「そうでした！俺としたことが…。ほらがんちゃん戻るぞ！！俺のトレーニングを抜け出したんだからな、お前は2倍コースだ！！」

岩「そ、そんなぁ～～。」

条「では俺達はこれで(笑)よろしくお願いしますね！」

二人は再び中へと消えていった。
まさか、これから殺される相手にわざわざ挨拶してくるなんて律儀な男ね。
せいぜい残りの余生を楽しむといいわ。

イチジョウサン。