６話〜旧い呪縛から助けて〜 ページ7
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『A、お前は夏目と逃げろ。俺達にはもう関わるんじゃね〜ぞ、分かったな？』
『嫌だ、絶対に離れたくない。兄さんは、何でそんなこと言うの？あの先輩の所為で兄さん達が苦しんだっていうのに！潰そうよ！』
『俺は、万人の命を背負ってまでお日様の下で生きたいとは思わね〜よ。それくらいなら、闇の中で生きる道を選ぶ』
そんなの助けてあげなくて良い。そんな命より兄さんが生きてる方がよっぽど大切だよ。決めつけるのは兄さんの悪い癖だよ。言いたいことは山ほどあった。でも、その時の零兄さんが弱々しくて身内でさえ殺せそうなほど衰えきっていたから。
私がそんなことを血迷ったせいで、兄さん達に二度と下ろせない荷物を背負わせてしまったのだ。
「っ、ゆめ……夢だった」
じゃあ今度は私が、２代目朔間零を殺すよ。お前を見る度に私は苦しまなくちゃいけない。そんなのは公平(フェア)じゃないからね。お前も、今度は私のために死んでよ？
「ふっ、」
(馬鹿だね。あの時死ななければ、二回も人のために死ぬ〜なんてことしなくて良かったのにね)
「ご飯置いておくから。食べておくんだよ、マオウ？」
________
_____________
〈午前７時過ぎ〉
私はパン屋で働くごくごく普通の店員。店は温厚なおばさんが営んでいる。外観は水色の鮮やかな壁と白のコンクリートレンガが、よく映える小ぶりな平屋建てだ。
ガチャ、チャリーン
「おはよ、来てあげたよ」
「おはようございます、Aさん。やっと来てくれたんですね、前々から連絡入れてたんですけど……」
「だって、マジでしつこいんだもん。人の食生活にまでいちいち関与しないでくれるかな」
「_____そろそろ殺すよ？」
桜と蒼のオッドアイが冷たく、私を侮蔑している、睨んでいる。正直心の底からゾッとした。１年前のAさんなら、こんな恐ろしいこと言わなかった。優しく私の名を呼んで、綺麗な服を着せてくれたはずなのにーー。
「〜っ、やめて下さい…！！」
「あはは。これで最後にしてよ、ほら」
パンをぎゅうぎゅうに詰め込んだ紙袋を恐る恐る手渡すと、Aさんはにっこり笑い、じゃあね、と一言置いて帰って行った。
(『怖い』なんて思うはずが無いのに、怖くて目が合わせられなかった……)
私はあれだけ偉大な人へと『畏怖の念』ではなく、完全なる『恐怖の念』を抱いている。心底最低な人間だ、私という奴は。
７話〜破滅への引率をしてあげる〜→←５話〜旧い呪縛から助けて〜
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日向サク(プロフ) - ももいちご。さん» はい、ご感想ありがとうございます！このコメントを機に、もっといい作品を作れるように頑張ります！本当に、ありがとうございました！ (2017年9月18日 10時) (
レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - 遅くなり申し訳ありません、イベント参加ありがとうございます！ 人物たちの心情が分かりやすく、独特の雰囲気を持った素敵な作品だなぁ、と言うのが率直な感想です。更新頑張ってください！ (2017年9月18日 7時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
S･T(プロフ) - 日向サクさん» えっとですね…『迷っています…(汗)』(かっこは気にしないで下さいf(^^;))のｱﾝｹｰﾄを取ってるんですが…良ければご協力願えますか…?私が出しているｱﾝｹｰﾄですけどf(^^; (2017年5月7日 16時) (レス) id: fd942f87f3 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - はい！どうしました？ (2017年5月7日 16時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
S･T(プロフ) - 日向サクさん» すみません…相談があるんですが…宜しいでしょうか…? (2017年5月7日 16時) (レス) id: fd942f87f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向サク | 作成日時：2017年1月15日 23時
