nectaR/nrs yuk ページ8
「どうすか、さすがに慣れてきたか」
『いや〜。まったく慣れないね。高いよ切符』
「いやいやプレイヤー殺人未遂罪40万はブラックすぎるだろ」
『ほんとそう。NPC殺人が40円で詐欺罪6億の街だから、終わってるよロスヨントスは』
そうだとしても、好きだったんだ。あの街が。
『……ねえ、力二くん』
それが全部彼女のおかげだと私は知っていたから、未練ったらしくここまで流れ着いてきてしまった。
『ほんとに、どこにいるか知らない?』
弟なんでしょ?と続けて問いかける。
やはり返答は帰ってこず、どこからか聞こえるけたたましいパトカーのサイレンだけが音としてそこに在った。
「もし俺が今ここで教えてさ、どうすんの。それからどうなるのAさんは」
彼女とよく似た声。
同じ血が通っているということさえ、妬ましい。
ほんとうに、よく似ている。
『やっぱ、兄妹だね。似てるや』
どうするもなにも。
最低限の生活の中で、彼女が隣にいてくれたらそれで良かった。使い古した愛を透かして私を目に映すあの人が好きだった。
彼女が思い出になる度邪魔になってゆく。
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なな(プロフ) - 「あくる日の」のお話めちゃくちゃ好みです...!悪いれだーさんまた読みたいです (3月27日 20時) (レス) @page5 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
ちーかのすけ(プロフ) - マジで好きです!(*´ω`*)今回もめっちゃ良かったっす😇✨💕 (2月13日 8時) (レス) @page11 id: 927919367a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなり | 作成日時:2024年2月10日 19時