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「匠がごめん。避けてたのは事実だけど、…まあ色々事情?があるみたいだ。オルカに免じて、許してやってくれないか?」
そんな曖昧な話に続けて、ほら、謝れ、と1歩後ろの彼を無理やり前に出した。
「悪かったな」
『え、い、いえ!!大丈夫です、全然!こちらこそごめんなさい』
あのつぼ浦先輩が素直に謝罪をした。というとんでもない事実に反射的に謝り返してしまう。
しかし、ここでこうしなければ「特殊刑事課の名のもとに」なんて、特殊刑事課お得意の訳の分からない文言で病院送りにされてしまいそう。
『あの、その事情って、聞いても大丈夫ですか?』
この街では珍しいことに、パトカーのサイレンひとつ聞こえない。
静寂が流れる。
「……お前のせいじゃないかもしんねえけどよ。…いや、なんてんだ?」
「ん?体調わるくなっちゃうんだろ?」
『体調?』
それは大問題なんじゃ?
いつのまにか、避けられているどうこうから医者にかかるべきな話題に切り替わっていてあまりにも状況が呑み込めない。
「ああ。お前を見るとこう、心臓が痛えんだ。なァんか落ち着かねえし、動悸もするしな」
「なら離れるしかないだろ。
けど、悪かった。今度神崎にでも見てもらって来る」
『……え?』
「んだよ」
心臓、動悸。
彼は何事もないふうにすらすらと言ってのける。
本当にそれだけなのならばたしかに神崎さんに見てもらった方がいいのかも、しれない。が。
「…匠。お前それ、こ」
『まってまって言わないで先輩』
かあっと燃えるように頬が熱くなるのを感じる。
自惚れだろうか。
あくる日の/rdr yjr→←凹凸凸凹エンドゲーム/tbur tkm
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なな(プロフ) - 「あくる日の」のお話めちゃくちゃ好みです...!悪いれだーさんまた読みたいです (3月27日 20時) (レス) @page5 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
ちーかのすけ(プロフ) - マジで好きです!(*´ω`*)今回もめっちゃ良かったっす😇✨💕 (2月13日 8時) (レス) @page11 id: 927919367a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなり | 作成日時:2024年2月10日 19時