ひまわりにはひまわりを (ページ10)

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海人side

海人｢ここ、好きなの？｣

また控えめに頷いた

そしてしばらくしてからAの口が開いた。

あ｢私、ひまわりみたいになりたいんです。一緒にいるだけで元気になれる、人を笑顔にできる、自分を笑顔にできる、そんな人に｣

自分を笑顔にできる、か

海人｢よかったら、教えて？なにがあったの？｣

一瞬俯いてから、また口が開く

あ｢2年前、弟が死にました。病気でした。弟は頭も良くて、運動神経も抜群で、優しくて、モテてました。だから、弟に近づくために私の友達になった人も、いたみたい。｣

海人｢...もしかして｣

あ｢...弟が死んでから、女の友達はほぼ居なくなりました。1番仲良かった子も。最初はちゃんと笑えてました。でも、いつの間にか笑い方を忘れてました。｣

Aは涙を流す方法も忘れたようだった。

海人｢そっか。じゃあさ、俺が思い出させてあげるよ！それから、これからは俺らがAちゃんを守るから、何かあったらすぐ言ってね？｣

これが、俺とAの出会いだった。

それから、ほかの5人にもAのことを紹介して、俺らは直ぐに仲良くなった。

奇跡的なことに、俺らは3年間同じクラスだった。

最初は全然笑わなかったAもいつの間にかちゃんと笑えるようになっていた。

それからしばらく俺が知る限りAはひまわり畑にはいっていない。

だから、あの場所を知るのは俺だけなんだ。