クル先のマブは美術教諭【twst】 (ページ39)

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　初めは嫌いだったページ39

〈トレインの研究室〉

｢先生、コイツいつもここにいるんですか。
随分甘いんですね。俺というものがありながら!｣

｢デッ、デイヴィス君……!?何言ってんの……!｣

クルーウェルは大袈裟に嘆いて見せた。クルーウェルはトレインに特別気にかけられている自覚があった。自分の容姿から色々な人間からちょっかいをかけられているし、それは暴力だけではない。ニヤニヤと性的な目で見てくる先輩から襲われたり、目をキラキラさせながら憧れの眼差しを送ってくる華奢な同級生から告白されたり。

そんな目に晒されることに心底疲れているのをトレインは知っていた。もしかしたらトレインも同じように自分のことを手に入れたいと思っているのかもしれない、だから優しくするんだとさえ思ったことがある。

クルーウェル自身もこの研究室に何かと理由をつけて何度か潜り込んでは寝ていたから、きっとこの学校の生徒で誰よりもこの研究室に入っていると思っていた。

それなのになんだこの根暗メガネ。
トレインに気に入られてんの?

トレインが気にかけているのは自分だけじゃなかったのか。嫉妬?トレインと根暗メガネに?いやいや有り得ない。

別に、トレインは信頼しているけど好きなわけじゃない。断じて!

という誰に向けてか分からない言い訳をしつつ、クルーウェルの中でランドルフの第一印象は“なんか嫌い”だった。

｢……トレイン先生、コイツがいたのになんで俺に優しくするんですか。｣

｢何を拗ねているんだ君は。……君たちは心配なんだよ。生徒として。｣

｢……は?心配?｣

クルーウェルは本当に意味が分からないというような顔をして、ランドルフは嬉しそうにはにかんだ。

トレインは俺を手に入れようとしている訳じゃなくて、心配していたのか?

｢……先生はアイツらみたいに俺を欲しがってるんだと思ってた。｣

｢うへぇ、デイヴィス君……。
顔がいいと性格ってひねくれちゃうの?｣

｢ハ?ぶっ飛ばすぞお前。｣