クル先のマブは美術教諭【twst】

おしゃべりガール！ ページ21

〈美術室〉



流れ星のような光がおさまってしんと教室が静まり返った。


｢おはよう、ビアンカ。｣


『あら！おはようランドルフ先生！！とっても楽しみにしてたのよ、まぁ！たくさん人がいるわ！！そうよね、この人たちみんなランドルフ先生の生徒さん？いつも見てた授業や部活の時よりたくさんだわ！素敵！』


桜が咲き誇る広大な庭の見えるパティオのソファに寝転がっていた彼女はパッと起き上がって口を挟む間もなく喋った(･･･)。


｢……えぇ？絵が、喋ってる……！｣


｢喋る絵くらい見たことあるだろオマエら。｣


｢え？じゃあ先生は動く絵を描く画家だったってこと？｣


｢うん。｣


1年はポカンとしばらく間をあけてから

｢え───────ッッ！！！｣

と声を揃えた。普段は口々に喋るくせに。


『ふふ、とってもにぎやかなのね！皆さんはじめまして、私、ビアンカよ。はじめましてなのにもう明日ここを発つことになってさみしいわ。でも楽しみね！こどもたちとは絶対に仲良くなれるもの！』


｢そうだな。きっと綺麗な額縁に入れてもらえるよ。｣


｢ビアンカちゃ〜ん！好きなものって何？｣


｢おい、早速大事な商品口説くなよ。｣


『好きなもの？そうね、朝焼けが好きよ！このお部屋から見えるの、とっても綺麗よ。まあ酷い隈のランドルフ先生もセットだけれど。あ、桜も大好きよ！』


ウフ、と憎めない顔で、びっくりするほど可愛い顔で笑った。


｢お前な……まあいいや。さぁもう終わりだ。
帰りなオマエら。さっさと部活行け。｣



生徒たちはえ〜、とかビアンカちゃんバイバイ！とか言って美術室を出ていった。

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