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すば子side
真夜中、横子が起きたから少し目が覚めた。
ぼんやりしてたら、横子が部屋出ていった。
また眠気が襲ってきたけど、
横子が起きてるから一緒に寝たいと思い
大人しく待っていた。
トイレにしちゃ、遅いな……
ガシャンという音と、怒鳴り声。
リビングへ駆けつけ覗いてみると
罵声を浴びせながら殴ったり蹴られたりされている
横子と、腰を抜かした横子のお母さんがいた。
今日は帰ってこないんじゃ……。
てか、警棒はあかんやろ……。
今、無計画に飛び込んでも逆効果だ。
警察を呼んで、証拠写真を撮った。
冷静になれ。横子が死んじゃう。
義父｢お前みたいな出来損ないの女は
性 欲 処理の道具にしか使えないんだよ！｣
ブチッ
私の中で何かが切れた音がした。
と思った瞬間、私は男を殴っていた。
殴った手には鈍い痛み。
でもそんなことお構いなしに男に捲し立て、
警察に突き出した。
横子のTシャツには血が滲んでいて、
今までで一番酷い怪我だった。
私が、もっと早く行動しなかったばかりに。
もっと踏み込んであげなかったばかりに。
横子の瞳から光が消えてしまった。
泣きたい気持ちを抑え、
横子を痛くないようにそっと抱きしめる。
ポロポロと零す涙が、恐ろしく冷たくて。
病院に連行される横子に、
私はひと時も離れず、ずっと隣で手を握っていた。
少しでも、支えになれていたら。
虐待に気づいてすぐ行動すれば良かった。
横子がどれだけ、
やめて、私は大丈夫だから、心配しないで。
と言っても無視して殴りに乗り込めば良かった。
すやすやと病院のベッドで眠る横子を見て、
私は物凄く、不安になった。
『……っ…………横子、よここぉ………………』
薄暗い病室で私はこっそり涙を流した。
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作者名：ヒューガ | 作成日時：2020年8月26日 17時
