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安子side
｢貴女たち、何やってるの？｣
私の大好きな声が聞こえた。
バッ、と声をした方を見ると、
ゾッとするほど冷たい表情の横子ちゃん。
｢あ、よ、横子先輩……！？こ、これはっ……
違うんです……すみませんでしたっ！！｣
そう言って走り去っていった。
横子｢…もう、大丈夫よ。怖かったでしょう。｣
『へ、へーき！なんてことないし！』
横子｢安子、嘘は良くないわ。｣
横子ちゃんは優しく微笑み、
さら、と私の髪をといた。
その途端、
ダムが決壊したように堪えてた涙が溢れ出す。
『うっ、ごめ、なさ……迷惑、かけてっ……』
横子｢迷惑なんかじゃないわ。
いつでも頼ってくれていいのよ。｣
しばらく背中をさすっていてくれた。
横子｢落ち着いた？｣
『うん……』
横子｢良かった。でも、なんでこんな時間までいたの？｣
『横子ちゃんの補習、終わるの待ってたの。』
横子｢え、なんで？｣
『一緒に、お出かけしたくて。』
横子｢ど、どうしたの急に。｣
『映画、一緒に観に行かん？あの映画、観たいって聞いて。私も見たかったやつやの。でも、一人で行くより、いいかなって！』
横子｢へぇ！もちろん良いわよ。いきましょう！｣
やったぁ、思ったより食いついてくれた！
『やったぁ！じゃあ決まりっ！！いつが良い？』
横子｢じゃあ日曜はどお？｣
『多分空いてるっ！また後でLINEするねっ！』
｢横子さん！ちょっといらっしゃい！！｣
横子｢げ、｣
『えっ、』
横子ちゃん、なんかやったの？
先生の話を聞けば、横子ちゃんは廊下の窓から急に飛び出していったそうだ。
それって、急いで私を助けてくれたってこと？
先生に怒られてるのに、弁解しない横子ちゃんをみて、私が全力で弁解した。
｢そう……じゃあ見逃すけど。気を付けてくださいね。｣
『はーい！』
横子｢……ありがとう、安子。｣
横子ちゃんは色々、誤解されやすいんだろうなぁ。
『んもー、ちゃんと言い返さなアカンで！』
横子｢ふふ、ごめん。｣
窓から飛び出して私の元に駆け付けてくれたとか。
嬉しすぎ。
嗚呼、好きだなぁ。
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作者名：ヒューガ | 作成日時：2020年8月26日 17時
