守りたい人がいる。 (ページ3)

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1話ページ3

薄暗い路地に１つの足音が響く。

路地の角を曲がったその先に目立たないBARがあった。

隠れ家的なそのBARの扉を開けると容姿の整っている

美しい少女がカクテルを不機嫌そうに呑んでいた。

そこに少女とは対照的に上機嫌な薄汚い男性が少女に

声をかけた。

「あんた、未成年だろ、酒なんか飲んでんじゃねーよ」

『うるさいわね、ノンアルよ。それより何、義爛？呼び出

　したのはそっちなのに遅刻かしら。』

「そんなこと言っていいのかな？今日はあんたの求める人

　材を紹介しようと思ってたんだがね。」

『え、本当？』

目を見開いて義爛を見る少女の瞳には少しの不安と大きな

期待が表れていた。

それをみて薄く笑った義爛は、こちらを探るような視線で

「あぁ、あんたが望むなら紹介してもいい、ただしだ
　条件がある。」

『わかった、その条件のむわ。』

「流石天才ブローカー。賢明な判断だ。」

『あら、裏の世界の超大物ブローカーに言ってもらえるな
　んて光栄だわ。』

『でもどうして？』

「ん？」

『どうしてその条件なの？だってあなたにメリットは、』

「お前な、知らない方がいいこともあるだろ。
　何でも知りたがんのはお前の悪い癖だ。」

『そうかもね。ごめんなさい。』

「おー、お前が素直に謝るのは珍しいな。」

『義爛、あなた私のことなんだと思ってるのよ。』

「、、、悪ガキ」

『まぁ。』

少女と男の笑い声がBARに響いた。