守りたい人がいる。 (ページ18)

今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:5,494 hit

16話ページ18

私みたいなブローカーにとって一番厄介な個性だといって

も過言ではない彼の個性、実は、耳を完全に塞いで音を

聞こえなくすれば、個性はきかないらしい。読唇術は、

習得しているから、耳栓でいけるかなと思っていたけど、

残念ながらここでは読唇術は使えなかった。

理由は単純、音本さんが、音本さんに限らす幹部の全員が

ペストマスクをしており、口元が全く見えないから。

そこで義爛に依頼して個性はきかないけど音だけを

スピーカーで通す、極小イヤホンを作ってもらったのだ。

超高かった。あのぼったくりめと請求書を見ながら、

その場にいない義爛に悪態をついたのは記憶に新しい。

つまり何が言いたいのかというと、オーバーホール達は

私の本当の個性の詳細や本心を知らないということだ。

音本さんの個性を頼りすぎていたあちらは個性も確認

しなかった。こちらとしては好都合だったが。

本当の手の内は、親しい者にも見せないもの。こう教えて

くれたのは義爛だ。実際義爛は私の正確な個性を知らない

同様に私も義爛の個性を知らない、それどころか本名も

年齢も住所も何一つ知らない。ハッキングできるだろ、

調べろよと思った人もいるかもしれないが、私は、

このくらいの知らないことばっかりの距離感が

案外心地良かった。つかず離れずみたいな。

話を戻そう。でも、全てが嘘という訳じゃない。

嘘というのは真実を少しずつ混ぜることで信憑性が増す、

契約の個性や、交渉材料は、本当だしブローカーとして

あちらの不利にならないようことを進めてきた。全ては

目的のためだ。なんて、考え込んでいると防犯カメラ

の方に動きがあった。鉄砲玉八斎衆は、サンイーターに

敗北したが、サンイーターもダウンして動けそうにない。

乱波さんと天蓋さんはレッドライオット、ファットガムに

敗北、４人とも重症で動けないだろう。屋敷前では、

リューキュウ事務所に所属する、インターン生３人と

リューキュウが活瓶さんと未だ交戦中、サーナイトアイ

達と出向組の2人が接触したが、その後退避していて

今どこにいるかわからない。屋敷内にて、多数のヒーロー

と死穢八斎會組員が交戦中、ルミリオンは、以前こちらに

接近、もう少しで音本さん達との交戦が始まるだろう。

ざっと今の戦況は、こんな感じである。今んとこ五分五分

といったところだが、あちらの目的は、この子壊理ちゃん

の保護、壊理ちゃんさえ奪われなければこちらの勝ちだ。