守りたい人がいる。 (ページ14)

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12話ページ14

Aside

オーバーホール怒ってたなーと殺されそうになったことを

忘れて、呑気にそう思いながら部屋の隅で怯えている彼女

に視線を向けた。マインドコントロールの経過は、順調だ

とオーバーホールの前ではいったものの、私はそこまで

意欲的に彼女を依存させようとはしていなかった。正直

子供は嫌いだ。だから、あまり関わりたくないのが本音。

泣いている子供を見ると昔の自分を思い出すから。

まあ、それはさておき今まで、個性破壊弾の開発に

没頭していてマインドコントロールにそこまで向き合えて

なかった。それでも私の、私たちの計画に影響はなかった

けど、こういうことがあるなら話は別だ。

さぁ、仕事の時間だ。

壊理ちゃんside

やっと逃げられると思っていたのにあの人に捕まってしま

った。でも、あの人たちの手は暖かかった。緑の人は、私

を助けようとしてくれた。私が逃げると人が死んじゃう。

私のせいで人が死んじゃうのは一番やだ。

『壊理ちゃん、どうして逃げたの？』

ドールさんに急に話しかけられてびっくりした。

怒ってるのかな、わたし逃げたから。

「ごめんなさい、ごめんなさい」

『別に、怒ってるわけじゃないんだよ。どうしても逃げた

のか教えて欲しいだけ。』

『オーバーホールさん、怖いよね。私も怖いよ。

今日だって殺されるかと思った、壊理ちゃんが逃げるとね

私のお仕事なくなっちゃうの。壊理ちゃんが逃げたら私

殺されちゃうかもしれないんだ。だからね、壊理ちゃん

逃げないで欲しいの。私とここから、逃げないって約束

してくれないかな？お願い、、、』

ドールさん、ほんとに怖がってる。わたしと同じなのかな

「私のせいでドールさん殺されちゃうの？やだ、、

わ、わたし約束する。絶対逃げないから。だからお願い

ドールさんはいなくならないで、1人にしないで、、」

『壊理ちゃんは、良い子だね。いなくならないよ。

壊理ちゃんが逃げないならね。』

女の言葉の鎖は小さく優しい少女の体に解けないほど

強く巻きついた。まるで呪いのように。