余命3ヶ月。 (ページ5)

今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:17,353 hit

#3 ページ5

Daigo

深夜の病院は静まり返っていた。

「西畑さん、こちらです」

という看護師さんの声を聞き、席を立って移動する。

その時に少しだけ周りの視線を感じたが、バレることなく診察室へ来くことができた。

医師「今日はどうされましたか？」

『…最近、夜になると涙が止まらなくなって……』

医師「夜になると涙が止まらない……？」

『…はい、すぐ体調不良になったりとか、貧血になったりとか、あと、零れた涙が宝石になるんです、凄い綺麗な……。……これって、何かの病気なんですかね…』

医師「その可能性もあるので、色々調べていきますね」

―10分後―

医師「西畑さんは、“涙石病”ですね」

『…涙石病？』

医師「はい、瞳から零れた涙が宝石になるという病気です」

『…症状は、それだけですか…？』

医師「いえ。人によっては体調が悪くなったり、眠れなくなったり、涙が止まらなくなったり、貧血になったりと、様々な症状が現れます。…西畑さんの場合、体調不良、貧血、涙が止まらなくなる、という症状が多いですね」

『…それって……、治るんですか？』

医師「残念ですが、治療法は見つかっていなくて……」

“西畑さんの余命は、あと3ヶ月です”

………………え？

おれ……、あと、3ヶ月しか生きれへんの…、？

『……っは、……うそですよね…、？(笑)』

涙が出て来ないように、なんとか笑顔を作る。

医師「……残念ながら、嘘ではありません…」

『……っ』

……お願いやから、嘘って言って……。

結局泣いてまった。

なんや、みっともない(笑)

26の男が、こんなことで泣くなんて(笑)

その宝石の色は、淡い青色……。

落ち着いてから、色々と話を聞いた。

医師「感情によって、宝石の色は変わってくるんです。例えば、青は悲しみ。」

『悲しみ……』

さっきの青色……、あれは悲しみだったんや。

赤色は怒り、オレンジは悔しさ、黄色は怖さ、ピンクは嬉しさ、紫色は不安、青色は悲しみ、緑色は寂しさ、だそうだ。

感情によって宝石の色は変わる……。

『……お仕事は、できますか……？』

医師「よっぽど調子がいい時しかできません。無理は絶対にしないでくださいね」

俺は、色の資料や色々な薬を貰い、病院を後にした。