ジュウイチ ページ13
悪いとわかっているのに俺はその手紙を開いた
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名前も知らない君へ
元気にしてますか。なんて、病院にいる人にいう言葉じゃないね
元気にしててください！
いや、これも変かな。
まぁ、いいや
君とは昨日一昨日の付き合いだったけど久しぶりにあんなに楽しい時間をくれた人だよ
私はずっとここにいるから、いつも屋上で話す人はいつも私より先にいなくなってしまう
薄々わかるの、この人はいなくなる、いなくならないってのを。
勿論自分のことだって。
私はもうすぐ死ぬんだなぁってわかってたのに
もっともっと君と話がしたくて
"また明日ね"だなんて、守れるかも分からない約束をしてしまったんだ
"また明日ね"って言えば生きれると思ったけど
もうダメっぽい
さっき自分で言った言葉なのに
君とはたくさん話していたかったな
名前も知りたかった
病院の外に出て一緒にお出かけもしたかった
なんて、叶わないけど
初めてそう思えたんだよ
私は小さい頃から病院にいるから
病院の外の世界って私にとっては新鮮で
そんな体験を君と出来たら凄い幸せだったんだろうな
おっといけない。こんなことを書きたくて手紙を書いたわけじゃないの
名前も知らない
歳も知らない
そんな優しくてカッコイイ
『キミが好きでした』
ちゃんと言葉で言いたかった
また会いたい
ずっとそばにいたい
君のこと沢山知りたい
でも、無理だってわかったから
昨日一昨日のことは私の夢物語
最後の最後で素敵な恋をさせてくれてありがとう
さようなら
君のことを好きになった 中条Aより
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綺麗とはいえないが、一生懸命書いたと思われる手紙だった
目が見えない彼女の精一杯の意思表示だった
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らゐる(プロフ) - こだまさん» そう言っていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます！ (2018年6月1日 23時) (
レス) id: 88a16c59f6 (このIDを非表示/違反報告)
こだま - 綺麗なお話ですね(*^-^*)とても読みやすかったです！ (2018年5月11日 19時) (レス) id: 6c1a68587e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らいる | 作成日時：2018年2月3日 19時
