【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ10)

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キスをした時、何かを飲ませたのか杏樹は意識が無い
この状態の杏樹を連れまわしても危険だと考え、柚香先輩を追うのは諦めた
何処へ行ったか分からないけど、多分蜜柑と志貴先輩と外に出るつもりだ

志貴先輩の力があれば鍵穴に月光が当たるのを待つ必要はないもの
待つ時間が長い程初校長の手に捕まるリスクが高まる

私は暫くここで身を潜める事にした
幸い志貴先輩の結界がまだ守ってくれていたからそう易々と追ってに見つかる心配もなかった

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鳴海「…っ」

暫く経ってから杏樹は目を覚ました
強い薬じゃなかったのか杏樹はすぐに起きた

鳴海「柚香先輩は…」
「多分外へ出るために私達を置いて行った」
鳴海「追わなきゃ…」

ヨロヨロと立ち上がり、この部屋を出て行こうとする杏樹

「待って！この部屋は結界が張ってあって安全よ。外に出たら…」
鳴海「俺が先輩を守らなきゃ…」
「杏樹！」

心此処に非ずの杏樹に私は思わず大きな声をあげた
…柚香先輩の後にキスをする勇気は無かったから

「…私達が出来る事をやろう。柚香先輩は瞬間移動のアリスだから、空間の繋がりを追ってみるけど…。時間が経っているからそこにいるかは分からない。いいわね？」
鳴海「あぁ…」

柚香先輩が瞬間移動をした場所から空間の歪みを探して、私は杏樹を連れて瞬間移動した
そこはセントラルタウンのど真ん中

次の空間の歪みを見つけるために少し歩かなければならない
薬の影響でまだ若干フラフラしている杏樹を連れて、セントラルタウンを歩くことにした

ここはこの学園の喧騒の中、静寂を貫いていた
騒ぎとは無関係を主張しているからのよう
だからこそ柚香先輩もここを経由地に選んだのだろうか

…柚香先輩にテレパシーのアリス石を入れた誰かの声が聞こえるなら行きつく先は蜜柑の場所だ

セントラルタウンも広い
中々空間の歪みを見つけられず困っていると物音が聞こえ私達は身構えた
しかしそこから出てきたのは岬だった

岬「鳴海…。神崎…。やっと見つけた」
「岬…」
鳴海「何で…」
岬「さっき柚香さんからテレパシーで、お前らがここに居るから助けてくれって」

そっか
柚香先輩は私が空間の歪みを追って、ここに来ることを知っていたんだね

だけど杏樹は岬に背を向けると歩いて行こうとする
「ちょっと…！」
岬「おい！そんな身体でどこへ行く！」

…フラフラなのは岬にもバレてたか