【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ8)

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私の空間操作の結界と、柚香先輩が持っていた志貴さんのアリスストーンの結界を使ってこの場を守った
志貴さんの結界は姫様の結界に次ぐ代物だから、そう簡単に見つかる事はない

私達は息を潜め、少しばかりの休息を取った

鳴海「俺達の悪行が蜜柑ちゃんにバレちゃうな…」
「いいんじゃない？元々は不良だったって分かっても」
柚香「悪行っていうかAの言う通り不良だっただけよ…」

柚香先輩は少しだけ笑みを見せてくれた
それに呼応して私も杏樹も笑った

鳴海「柚香先輩は蜜柑ちゃんと一緒に外に出る計画をしてたみたいだけど、実は俺達もしてたんだ。俺とAと蜜柑ちゃんと…。だから…」
柚香「まさか、蜜柑にも『盗み』のアリスが…」
「そのまさかよ。柚香先輩は蜜柑が先生と同じ『無効化』のアリスだけしか知らなかったけど、盗みのアリスも遺伝してたの」

私がそう伝えると柚香先輩は顔を覆って涙を流した
先生だけでなく自分のアリスも遺伝してたとなれば、子どもとして嬉しい事はこれ以上にない
だけどそれは悪魔のアリスでもある

柚香「なら蜜柑にも『入れる』アリスが遺伝しているかも…。私が持っているアリスを蜜柑に渡せば…」
「蜜柑の入れるアリスをこの場で覚醒させるなんて、ぶっ飛んでるわよ先輩…」

だけどこうまでしなければ初校長からは逃げきれないという事だろうな

ふとした時、空間の違和感をキャッチする
多分時空組が帰って来たんだわ

「柚香先輩、朗報よ。蜜柑達が時空から帰ってきた。今アリスストーンを瞬間移動させれば…」
柚香「えぇ」

柚香先輩は何処から取り出したのか、布製の袋に沢山のアリスストーンを詰めた
そしてそれを瞬間移動で高等部校長室に飛ばした

柚香「…ごめん。ナル、A。危険な事に貴方達を巻き込んでしまって。貴方達と行けるのはここまで。この先は1人で蜜柑と合流して、外に出るわ。…今までありがとう」
「待って！」

立ち上がろうとする柚香先輩を杏樹は必死に掴んだ

鳴海「どこに行くんだよ…。俺の前からまた…いなくなるつもり？」
柚香「ナル…」

ったく私は眼中に無いのね
1回私が告白したことなんて忘れてるわ

柚香「あたしは、あんたの人生を煩わす存在でしかないのよ…。だからもう…」
鳴海「もう二度とあの時みたいに後悔はしたくない！」

あの時の杏樹は廃人だったからね
私もあの時のような杏樹はもう見たくない
だけど…