【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ6)

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高校長「柚香…。何故いきなり…」
柚香「すみません…。出て行かずにはいられなくて…」

もうきっと会えなくなる
そんな予感が柚香先輩の頭の中を占めたのかもしれない
そんな事にはさせたくない

「さて、私達はどうするんですか？この様子だとのだっち達は帰還照準時間より前に帰ってきたというのはまずない。そうなれば照準時間ぴったりか、遅れるか…。しかし私達がここに留まればそれだけ校長室(ここ)を襲撃されるリスクが上がる…」

私が切り出すと全員難しい顔をする
だけど蜜柑達が過去を見て帰ってきてから、柚香先輩と外へ行くかどうかの結論を聞かなければならない
そうなると導き出されるのは…

「…ここに留まるしか答えはないようですけど」
神野「あぁ。我々はここに留まざるを得ない」
「では聞かせてくれますか？柚香先輩が何故ここに居るのかを…」

柚香先輩は杏樹の手を借りて、床からソファに座りなおした
そして私と杏樹以外が知っている事のあらましを柚香先輩は重い口を開けて話してくれた

翼が大けがをして行方不明になった時、柚香先輩は追われる側だった
だけど蜜柑の傍に翼が居たことを思い出し危険を顧みず助け出し、『穴』を使ってこの学園に足を踏み入れた

高校長の庇護下で桜野くん達の協力もあり、翼の治療をして、すぐに姿を現すと任務漬けの日々に戻ってしまう事から匿っていた、と
柚香先輩も姫様の庇護下もあり無事に匿われていた

翼の体には柚香先輩の『入れる』アリスを使ってのだっちのタイムトリップのアリスが入っているとのこと

入れるアリスは私と杏樹の憶測だった
だけどそれがしっかり裏付けされるように説明され、やはり初校長には何か異物が入り込んでいるのだと確信した

「…理解しました」
杏樹「先輩は蜜柑ちゃんを最初から外に連れて行く気で…」
柚香「えぇ。志貴も協力してくれるから…」

まぁ私達よりも実の母親と一緒に逃げた方が良いだろうけど…
柚香先輩の場合は学園のお尋ね者だから追手が倍ってところね

高校長「鳴海先生達の案を考慮した上で、これが1番最善な策だと思ったんだ」
「わかっています」

頭では理解している
だけど身体が追い付かない

私と杏樹が追い詰められる中、胸騒ぎがした
というか張っている結界が揺れている

「…敵襲です」
高校長「やはり来たか」

全員身構える中、地鳴りのような音と共に敵がやってきた