【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ5)

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野田「こんな時の為に今まで随分アリスの不具合と称して、ブレスレットの妨害と戦う訓練を重ねてきましたから。何なら4人まとめてでも」
高校長「さっきも言ったように君達に今、納得してもらえるだけの諸事情を話して聞かせる時間は残っていない」

いつここに風紀隊ら初校長一派が押しかけて来るかわからない
他領域への不可侵という暗黙の了解はあれど、今の初校長がそんな事守る訳ないからね

高校長「だが野田先生のアリスを使って、過去に…。何があったのかその目で見て、今この時間にまた戻ってくるというなら話は別だ」
神野「校長、それではあまりに乱暴では」

「良いんじゃないですか？この子達が柚香先輩の事知りたいって言うんですし。何の状況説明もせずこの学園に蜜柑を放り込んだ私達教師の責任なのだから…」

私は神野先生の言葉を遮って、時空へ飛ぶことへの後押しをした
高校長は一つ頷いて、続きを話す

高校長「過去にこの学園で何があったのか。そこで君の母親は何をし、どのような人物だったか。他を介さずありのままを全て見て、そして自分で決めなさい。自分の行く道を」
蜜柑「…はい」

その後初等部生達がわっ…となった後、高校長達の視線も勿論そちらへ引き寄せられる
私と杏樹は顔を見合わせ、ゆっくりと後ずさりこの場から離れていく
そして少しだけ開いている扉に身を寄せ、扉の向こう側に入って扉をゆっくり閉めた

「「っ…！」」
そこには私達の予想通り柚香先輩が隠れていた
勿論大きな声は出せない

「どうして…」
鳴海「柚香先輩…」
柚香「事情は後で話すわ。…今は…」

そう言いながら私が閉めた扉をまたゆっくりと開けた

「…蜜柑の事を迎えに来たんですか」
柚香「えぇ…。志貴も一緒よ」
「志貴先輩も…」

確かに柚香先輩と志貴先輩が一緒なら何とでもなりそうだ

野田「では行きましょうか」
のだっちの出発を号令する声が聞こえた時、柚香先輩は動いた
だけどすぐに柚香先輩の腕を杏樹が掴んだ

柚香「ナル！」
杏樹「もう行かせない！どこにも…」
「…今柚香先輩が出ていく所じゃないわ…」

野田「それでは行って参ります」
高校長「くれぐれも気を付けて」

本当に出発となったとき、柚香先輩は杏樹の事を突き飛ばし、私を振り払い、扉を開け放った
柚香「蜜柑！！」

「柚香先輩っ…」

私と杏樹は追いかけた
だけどすぐに蜜柑達は時空へ飛んでしまい、柚香先輩は力尽きて床に座り込んだ