【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ39)

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鳴海「Zは犯罪組織ですよ…。正気の沙汰とは思えない…」
「どうして彼らを学園内に迎え入れるなど…」
志貴「勿論反対はしました。しかしあくまで学園の平和の為の交渉といった建前の上、私は過去に在籍していた人間…」

志貴さんの経歴を真っ白に出来たとしても、Ｚの人間の記憶措置まで取るのは不可能
志貴さんは書類上はＺに所属していなくとも、他の人間の証言があれば所属していた事実は曲げられない

志貴「今や初校長は内外への求心力衰えた状態にあり、我々の力を無視できず今日まで沈黙を守ってきましたが、アリス石を取り戻しＺのボスを掌握した今…。彼はどんな手を使ってでも以前の権力を取り戻す為に、既に幾つかの強硬姿勢を見せ始めています」

確かにね
初校長は目的の為なら手段を問わない
それは昔から関わっている私や杏樹が良く知るところ
ここで志貴さんが動くのはやめた方がいい

志貴「私は過去が災いし、今ヘタに動くことは初校長の思うつぼになりかねません。そうなれば蜜柑…ひいては学園の生徒達の将来や身の安全にも関わる事態を招きかねない」

「…志貴さんの狙いが分かったわ。私と杏樹を志貴さんの手足となって使役するのね？」

私は志貴さんのその言葉で全てが読めた
志貴さんは動けない
であるのならば他の人間が動けばいいじゃないか、ってことにね

志貴「はい。おっしゃる通りです。…私は貴方達にスパイの役割をお願いしたいのです。…Ｚは犯罪組織です。本来存在を認められてはいけない。初校長の手中に組織が収まるかもしれない今、必要悪としての存在意義すらない」

初校長の手中に収まってしまえば何もかも終わりだ
Ｚが組織として活動出来ていたのは、初校長の手中に入らなかったからだ

志貴「危険な任務は承知の上です。どうか引き受けて頂きたい。貴方達に我々サイドのＺ交渉役として今後動いて貰いたい。初校長、Ｚの動向を逐一把握して、その裏でＺ内にいる今回の件の不満分子を見つけ、時に煽り、説得し…。初校長がＺを完全に手に入れる前にＺを内から壊す道筋を作っていただきたい」

志貴さんは私達に向き直り、その真剣な眼差しで語った

志貴「この役は貴方達にしかお願い出来ない。どうかこの学園の為に生徒達の為に、力を貸して頂きたい」

私と杏樹は目を見合わせた
何も言う事なく、杏樹は再び志貴さんに向き直り口を開いた

鳴海「お話ありがとうございます。しかしこのお話、神崎先生には無かった事にして頂けませんでしょうか」