【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ33)

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結局あの後何もなかった
何かを期待していた訳でもないし別にいいのだけれど

でも杏樹が私を好きになりたいと思ってくれていたことに本当に感謝だった

クリスマスが終わると年末は物凄いスピードで過ぎ去っていく
当然大掃除もある

クラスの掃除と潜在系クラスをどちらも片づけ、教職員の間だけでの仕事納め挨拶を終え、杏樹と岬と1年お疲れ様会をしようと居酒屋に繰り出していた

私と杏樹に煽られ煽られ、岬はべろべろ
顔を真っ赤にさせてお冷を浴びるように飲んでいる
…昔から残る岬いびりは今も健在って訳

さっきまでは３人でこの１年を振り返っていた
蜜柑絡みで色々あり、最近は全員疲弊しているけど蜜柑が戻ってきたときに居場所を作れるように頑張っている
それにどうしたら蜜柑が戻れるか、そもそもどうやって初校長を倒せるか
なーんてそんな話もした

クリスマスの後、杏樹とはフツーの関係
何も変わらないし、今まで通り
だからこそ接しやすいし３人で居られるんだけどね

２人で岬の昔話や、蜜柑の話をしていたそんな頃
ふと携帯が鳴った

教職員の携帯は外からの電波を通す
家族や外の人達との通信が可能だった

鳴海「電話？気にしないから出ていいよ」
「ありがと」

画面を見ると着信相手は母
普段絶対電話をかけてこない家族だから何かあったことぐらい容易に想像がつく

「もしもし？」
胡桃「A？ごめんね、電話かけて」
「何かあった？」

ちょっと深刻そうな声色

胡桃『偲さんに組長降りろって蒼龍会から脅迫状が来てなー。今、組中ごたごたなんよ。ちょっと帰ってこれん？』
蒼龍会…
ウチとよく敵対する組か…

「今日帰っても31日には学園に戻る。…元旦は教師の仕事があるから。それでいいなら」
胡桃『全然！むしろありがとねー。組のごたごたに巻き込むつもりなかったのに』
「ううん。私も神崎家の１人だし。明日の朝9時に迎え寄こして。それで帰る」

それで電話は切れた

鳴海「里帰り？」
「多分喧嘩して帰ってくる」
鳴海「え、大丈夫？」
「まぁ…。私女だからそんな現場出る事は無いから怪我して帰ってくるような事にはならないと思うけど」

私は酒を一口煽り、溜息をついた

「ったく…。ただでさえ学園の事で手一杯なのに。組の事も引き受けたらキャパオーバーだわ。なんでさっき断らなかったのかしら」
鳴海「そこがAの良いところだよね。後先考えず動くところ」
「無鉄砲って言うのよ」