【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ30)

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志貴「ボスはそのクローン石を体内に吸収することで他のクローンよりもアリスが格段強くなり、オリジナルの持つコントロールを彼も得てしまったのです。その頃の我々は不安を覚えながらもその仕組みに気付くことなく学園に追われる上にZを敵に回すか、利用するかある意味窮地に立たされ判断を誤り…」

志貴さんはテーブルの上に置いてあったグラスを手に取り、口をつけた
そしてまたゆっくりと語り始める

志貴「気が付いた時には社会的に影響力のある初校長クローンを利用できることになったボスはクローンのアリス1つしか持たないお飾りのトップからZを強大な組織にのしあげ、長年権力を握り続け…。ボスの能力の仕組みについて気付いて以来私達は彼への石の譲渡を一切拒み続けてきましたが…」

気付いて以来拒んでいたというが、途中で柚香先輩と志貴さんがZを抜ける事になっていないのは拒んだ事により立場が悪くなっていないという事を表している

志貴「しかしそれで特にZでの我々の立場が悪くなるということはなく、今思えば柚香の盗みのアリスはボスにとっても大きく利用価値があったのでしょうが…。何よりボスはクローン石を手に入れる事以上に、再び初校長の元にクローン石が戻ることをとても警戒していたように思えます」

幾つかボスの中に石が入った状態なら、初校長クローンのアリスを盗れば盗るだけボスにとっては得だった筈
…たとえソレがボスの中に戻らなくとも

志貴「利用すること以上に我々の力を初校長に渡したくなかったのも、こう考えれば辻褄が合う。クローン石を初校長が体内に取り込み、その分の力が戻ればかつてのボスのようにクローンへのコントロール力が増し…。それは今までコントロールの影響が及ばなかったボスをも飲み込むくらいのアリスの強さに…」

神野「もしそんな事になれば…」
志貴「…はい最悪の事態として。このままでは初校長はZのボスをコントロールし、Zを手中に入れることに…」

思わずこの場にいる全員が息を呑んだ

「…最悪の事態って言いますけど、志貴さんの話を聞く限りもう殆ど起こっているようなものですよ。我々も今後の対策をしないと色々『ヤバい』のでは？」
中校長「紫陽花の言う通りであろうな。…雅近、打てる手は打っておいた方が良さそうではないかの」
志貴「はい姫様…」

私が一喝するとこの場の空気が引き締まった
いつまでもゆっくりしている訳にはいかないからね