【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ27)

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志貴「内容は今や公人となった私の立場上、過去(テロ)の罪を刑に服す形で償うのを免れるかわりに、アリス石の正当な所有者である初校長に隠し立てすることなく石を全て返還しろ…と」

折角柚香先輩と志貴さんが集めた石を返せば、弱まった初校長のアリスも力も全てが元に戻る事になる

志貴「初校長側としては石の所有権・こちらの犯罪歴など、こちらがYESと言わざるを得ない必要な手続きは全て抑えている模様です。もし私がこの要求を断れば、この件に関する彼のこの用意周到さからみて、ただでは済まない事は間違いありません」

「でしょうね。こんな書状を送ってくるくらいなんだから準備はあらかた済ませているでしょう。志貴さんの言う通りただでは済まないわ。彼はそんな生易しい人じゃない、悪魔のような人ですから」

志貴「あぁ…。そういう人なのはここに居る人は分かっている筈だ。…私が過去、犯罪組織に属し活動していた事が事実である以上、この学園を結界で守る…初校長との契約条件。今回はそれが別問題となり盾として使う事は不可能です」

志貴さんのテロ歴より初校長のやってきた事の方が余程なのにね
自分の事を棚に上げて、志貴さんを追い詰めようとするなんて趣味の悪い
あ、元々趣味悪かったわ

志貴「今、この学園の均衡を乱すわけにはいかない状況からしても、断る術は残されていないのが実情です」

多分志貴さんはこの件に関して、私達からの意見は求めていない
どんな意見をしようともこの件に関しては断る術はない
何も言わずに実行するのを避け、私達に報告しに来た感じね

野田「しかし初校長に石が渡ったとして、彼は一体何をするつもりで…」
「クローンのアリスの力が元に戻る、のは分かるけど初校長の現在(いま)の状態じゃあ新しくクローン体を創り出すのは不可能…」

のだっちや神野先生は分かりやすく頷いた

野田「一体何のためにこんな真似…。裏に何かあるのは明らかです。相手の目的も定めないまま石を渡すのは危険では…っ」
神野「しかし犯罪歴を盾にとるということならば、初校長のこれまでの数々疑惑は…」

そこは私も思う所はあったけど…

「それは向こうも手回ししているでしょうね。自分の事を棚に上げているんだから、何も言われないようにするくらいお安い御用よ」
志貴「そうですね。…柚香や姫様の懸念が、現実のものとなってしまいました」

姫様も柚香先輩も油断するなくらい口うるさく志貴さんに言っていたんだろうか