【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ21)

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あの日から数日
学園の再建が行わる中、取り急ぎ柚香先輩の葬儀が執り行われた

葬儀の道中
志貴さんを先頭に、遺影を持った蜜柑、高校長、神野先生、そして私や杏樹、岬が続いた

涙を枯らした蜜柑
蜜柑が濡れないように傘を差す高校長
奥さんと歩く神野先生
岬に傘を差して貰っている杏樹

それぞれが歩く中、心の中は何を思っていたのだろう

あれだけ学生時代慕っていた先輩が急に死んだのだ
悲しい他ない
犯罪者になって疎遠になっていようと、慕っていたことに変わりは無い

『見学している生徒諸君。ただちにそれぞれの教室に帰りなさい。授業に戻りなさい』

参列している私達、いや蜜柑の様子を伺いに来た生徒達が数多く居る
翼達もその1人だった

今は自習の時間としているが、先生達の多くが葬儀に参列している為無法地帯と言ってもいい
何度も教室に戻るように促す本部職員の声が響き渡る

出棺場所まで辿り着くと、蜜柑は棺に縋った
暫くそうしていると高校長が声を掛ける

高校長「蜜柑。出棺の時間だ。さあ」
蜜柑は離れなかったが、志貴さんが声を掛けた

志貴「大丈夫だ、約束する。柚香の亡骸は君のお父さんのお墓と共に…私が結界で命をかけて守り抜く。許可した者以外近づくことも捜し出し見つけることすら出来ない。君のお父さんと共に、柚香が安らかに眠れるように…。別れは辛いだろうが、必ずいつか会える。約束する」

志貴さんだって強がっている
学生の頃から柚香先輩の事が大好きでずっと追いかけていた
卒業した途端柚香先輩を探しに学園から消え去ってしまう程に

すると雨の中を掻き分けるように人込みの向こうから初校長が現れる
蜜柑は志貴さんに促されるまま棺の前から初校長の隣に移動した

蜜柑が最終的に自分で決断した事とはいえ、あまりにも酷だ

「蜜柑ちゃん！」
［こらっ。声をかけたりしてはダメだ！］
「いかないで蜜柑ちゃん！」
「どこに連れていかれるの！？」

蜜柑の同級生達が初校長に連れていかれる蜜柑に声を掛けた
当然本部職員からお叱りを頂く

初校長「中校長代理。貴方との契約通り、貴方が問題児達に規律を守らせるなら私は手を出さない。しかしそれが守られないなら…」

初校長の声に全てを悟った蜜柑は笑顔で同級生達に手を振った

蜜柑「皆、またね！」

私達教師は蜜柑の事を守れなかった
この少女に犠牲になってもらうしかこの学園を守る方法が無かった
それが何よりもしんどかった