【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ19)

今日:4 hit、昨日:31 hit、合計:5,101 hit

｜ページ19

蜜柑「嫌な事や、辛くて逃げ出したい事も沢山あるけど。それでも学園(ここ)はウチらにとってかけがえのない居場所やから！大好きな皆とここで出会って、今のウチらをつくってきた…。ウチはこの学園が壊されていく姿を、黙って見てるなんてできひん！」

蜜柑の瞳から流れ出した涙が頬を伝って下に落ちていく
幾筋も幾筋も

蜜柑「学園を取り戻す為に、お願い志貴さん！力を貸して！皆が望む新しい学園への希望を、先に繋ぐ為にも！！今…っ！」

ドッ…
再び爆発音

物凄い揺れが襲い、全員立って居られなくなる
壁に手を付き何とか転ばないようにするのに必死だった

「初校長！敵が居場所を高等部と絞ってきた模様です！」
「もう初校長に張られている特別結界だけでは奴らの目を誤魔化せるのも時間の問題です。どうなさいますか、初校長！」
「学園のあちこちが火の海です！！」

風紀隊からの連絡
成程ね？高等部に絞ってきたからこんなに揺れるわけか

窓の外を覗くと、まさに火の海
あちらこちらで悲鳴が上がっているのが聞こえる

初校長「条件は飲めない。…たった一つ」

この場に居る全員が息を飲んだ
初校長は更に続け、私達はその言葉に驚愕した

初校長「今回の一連の件の原因である、佐倉蜜柑の引き渡しだけは断固拒否する」
「「「なっ！！」」」
初校長「それ以外は志貴、お前の要求を全て飲む」

「そんな条件、誰が飲めるの…っ」
私が声を上げると初校長からひと睨み貰った

殿内「よせ！蜜柑考えるな！」
翼「蜜柑！」

私や殿内くん、翼から余計な事は考えないように指示が飛ぶ
しかし蜜柑が下した判断は違った

蜜柑「ウチ、その条件を受け入れます…」
「蜜柑！」
蜜柑「いいの。神崎先生…。それで皆が助かるなら、ウチ…」

蜜柑は顔を覆って泣き崩れた
私も張りつめていたモノが消え失せ、気の緩みからその場に座り込んだ

志貴「…神野先生。私が生徒達に結界を張り巡らせた隙に雷を学園中に落としてください。その後学園結界を修復します」
神野「わかった。…殿内、増幅を頼む」
志貴「Aはこの場にいる全員を屋上に…」

志貴さんから指示を貰い、私は頷いた
座りながらだったけど私はアリスを使って全員屋上に瞬間移動させた
…初校長は手下を連れて消えていた

志貴さんが結界を生徒達に張り巡らせた後、増幅された雷が学園中に落ちる
そして宣言通り学園結界を修復していった…