【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ17)

今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:5,076 hit

｜ページ17

「初校長ご決断を！この学園最大の危機に今は一刻の猶予も…」

風紀隊の言葉に初校長は目を見開いて志貴さんを睨みつけた

初校長「まるでこうなる事をわかっていたかのようだな、志貴」
志貴さんに静かに呟き、その後叫んだ
初校長「…奴を捕らえよ、月！」

初校長は小泉先輩の名前を呼んだ
だけど小泉先輩も不信感があるのかすぐには動かない

志貴「無駄です初校長。何者にも屈しないで済むだけの力を柚香は僕に残していきました。柚香の意に反して小泉月(彼女)の吸魂を我々に利用しようとするならば、柚香を失った今何の未練もないこの学園や、あなたなどどうなろうと知ったことではない」

それを見た志貴さんは初校長に向かって告げた
そして初校長と向い合せになる
…初校長は意をつかれたように唖然としている

志貴「柚香の願い通り蜜柑を連れてたった今この学園を出るだけ。今の貴方にそれを止める力は無い。だがあなたの中に我が身の保身以外で生徒達に対して少しでも良心が残っているならばあなたではなく、この学園、生徒達の為に貴方と取引をしてもいい。正当且つ厳密な取引を」

取引…？
一体志貴さんは何を…

初校長「なん…っ…」
志貴「私が選んだ『契約』のアリス使いのもとで衆人環視を立ち合いに。結果それが貴方を守るなどまっぴらな話だが、私の要求を受け入れるなら私もこの運命を甘んじて受け入れよう」

次に志貴さんから飛び出た言葉はとんでもないものだった

志貴「病床の姫宮の意志を汲んで…次代中等部校長としてこの学園の守りに一生を捧げ、ただちに結界の修復に尽力する。その代償として貴方に守ってもらう契約…。私からの条件は4つ」

1つ
中等部と高等部への完全なる不可侵と治外法権の確約
２つ
高校長の無条件復帰
高校長と周囲への冤罪を認め、名誉と権利の回復をする
３つ
今回の事件に関わった全ての生徒、教員達への処分保留
佐倉蜜柑含む全ての身柄は志貴さん預かり
４つ
柚香先輩の遺体の引き取り先を志貴さんとし、柚香先輩に関し今後一切の干渉を禁ずる

以上の４つ

志貴「これ以上の譲歩はありません。契約はお互いの命をもって成立するものとする」
初校長「貴様っ…！」

初校長は怒りを露にし、志貴さんを睨みつけた
今にも嚙みつかんとばかりに歯ぎしりをしている

志貴「選んでください。他に貴方にもう生き残る道は無いはずだ」