【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ2)

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棗が叫んだ先からは、空間が歪み、のだっちと流架が姿を現した
時空に一旦逃げ込んで足跡を辿らせないようにしたのね

初等部生達は集まり、それぞれの無事を確かめて涙を流した

野田「経路を初等部校長側に気付かれないようにタイムトリップで一旦過去に身を隠してここに来ました」
「へぇ。のだっちもこっち側って事ね」
野田「はい。今まで黙っててすみません」

のだっちはバツが悪そうな顔を私に向ける
別に恨んでないし、仕方の無い事だったから気にしてないけど

蜜柑「何で…ウチらはここに…。ここは一体…」
私たちの会話も、そもそもどうしてここに居るのかも全く分からない蜜柑達

ついに痺れを切らして答えを得ようとした

答えを急く蜜柑に対し、高校長は蜜柑に歩み寄った
そして一部の人間しか知らない事実を口にした

高校長「初めまして。私は君の事実上伯父の間柄にあたる、君の父親の兄です」

初等部生達は酷く驚いた様子だった
多分母親が柚香先輩なのは気付いていたようだけど、父親の情報には誰も辿り着けなかったのだろう

…当たり前だ
先生の事はタブーとしてこの学園では扱われる
辿り着く材料すら無かったのだ

高校長「こういう形で事実を話すことになるのは避けたかったが。逆にこういう状況にならなければ一生話すことは無かった事実だが…。すまない」

先生達や桜野先輩達は知っていたのか…
そういう目で私達を伺った蜜柑
私が1つ頷いたのを見て、ハッとした顔をしていた

蜜柑「ウチの…お父さんて…。お父さんの事…。ウチのお父さんは…。どんな…」

高校長「彼は君が生まれる前に他界している。残念ながら今はその事についてここで詳しく話している時間はない。申し訳ないが…」

…行平先生の死は私達にとって物凄い衝撃をもたらした
会ったことは無くても、実の子ならその衝撃は話を聞いただけでも分かってくれるだろう

高校長「私達が君達をここへ呼び寄せたのは、緊急に君の今後について話し合い、行動に移すため。そのための我々の提案を納得してもらう為であることと、理解してもらいたい」

多分私と杏樹のようにこれからの蜜柑について話し合っていたんだと思う
まずは聞いてみない事には始まらない

高校長「我々の援助のもと、これから君はある人物とこの学園から脱出し、外の世界での生活をと我々は考えている。それが君にとって最善であると…」

高校長は少し間を置いて続けた
高校長「君の実の母親である安積柚香と一緒に」