【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ9)

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Contents(35) ページ9

『今週は園生要が1週間の仮退院で戻ってきます』

週初めのHRでそう告げて3日後
要はクラスにふらっと現れた

クラスメイトに揉みくちゃにされ、散々弄られた挙句、やんちゃな遊びに駆り出されていた
夜は寮でお祭り騒ぎと聞いている

そんな要を見かねて私はふと声を掛けた

「要」
要「神崎先生」
「クラスメイトに付き合うのはいいけど、体調と相談してる？」
要「大丈夫ですよ。僕は割と元気ですから。ご心配ありがとうございます」

私が心配しているのもあるけれど、大半は翼の心配だな
私に要がクラスメイトや技術系クラスの人にもみくちゃにされていると情報をくれたのは翼だったから

「そういえば蜜柑に会ったんだって？」
要「僕がベアの産みの親だって紹介したら驚いてました。…それに僕の能力のかたちを翼が蜜柑ちゃんに教えたら、色々考えちゃったみたいで」
「能力のかたちはね…。仕方ないよ」

蜜柑を悩ませてしまった事を悪いと思っている様子
…この学園で過ごしてれば悲しいことの１つや2つある
それを知れる良い機会だったのではと思う

要の能力のかたちは確かにショックかもしれないけど、蜜柑の生きる道はもっと悲しい事が沢山ある
それらを乗り越えてもらわなきゃ困る

「今日もバカ騒ぎするんでしょ。行っておいで。一時退院した時ぐらいはしゃぐのは目を瞑ってあげる」
要「ありがとう神崎先生」

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翼「あ、Aっち要に言ってくれたの？」
「そりゃね。私もあれだけ連れまわされてるの見たら心配になるし」

私が廊下で要と話していたのを教室で見ていたのだろう翼が私に話しかけてきた
私は非情な教師ではないし、ちゃんと生徒の心配はする

「翼も蜜柑に余計な事言っちゃだめだよ」
翼「って言ってもなぁ。いつかは知ることだし、先に知らせておいても平気だろ」
「まだ学園に来たばかりの子が知るにはちょっと重い内容だけどね」
翼「蜜柑なりにそこは考えられるだろうし、大丈夫だろ。Aっちも心配しすぎだぜ」

心配しすぎ
そうかもしれない

多分「蜜柑だから」心配しているんだと思う
蜜柑じゃなければ心配しなかった
…そんな事も無いとは思うが

「要のお見送りには私行けないからさ。その時は要によろしく頼んだよ、翼」
翼「おう。任せとけ」

多分この調子だと1週間持たずに病院に帰る事になりそうだから
病院にいたって私の教え子って所は変わらないし、どこにいても気にしている