【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ5)

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「ここまでアナウンス結構聞こえてくるね」
野田「優勝は技術系みたいですね」
「そっかぁ。負けたか…。結構いい線いってたんだけどな」

お客さんの数じゃそれ程負けては無かったと思うのだが

「新人賞に今井蛍か…。そりゃ技術系に優勝持っていかれる訳よねー。よかったね杏樹。杏樹のとこのクラスの子の受賞で」
鳴海「そうだね。クラスで褒めなきゃ」

柚香先輩と蜜柑の話の後、尾を引き摺ってしまって中々帰れないでいた
閉会式に途中から参加するのも気が引けたのでここに居るという訳だ

毎年発表アナウンスはここまでなのだが、今年はまだ続きがあった

「特別賞に特力系ね…。やったじゃんアイツら」
鳴海「今度はAのクラスの子でしょ。よかったね」
「私も後で褒めなきゃ…」

それに噂広める手伝いもしたんだから、ちょっとは感謝されなきゃ

「今年は蜜柑が居たからね。きっとあの子達の刺激になったんだと思うよ」

蜜柑が何かしらの刺激を与えてくれたのだろう
そうじゃなければいつもの彼らは茶化していた側なのだから

鳴海「…あの子がこの学園に来た当初。初めは決して平穏無事なスタートというわけではありませんでした。だけどあの子はいつの間にかあの小さな頭で、彼女なりに考えて悩んで答えを出して。そして気が付けば一歩一歩確実に前に進み、周りの信頼を勝ち得ていった」

目を付けられ星なしからのスタート
初等部B組では異例の星なし
…だけどそこから前を向いてシングルになった
蜜柑の力で

鳴海「僕の出した課題を今も確実にクリアしていってる。僕はあの子ならこの先どんな道に遭遇しても乗り越えていけると思ってます」
野田「僕もそう思います」
「茨の道。蜜柑ならきっと乗り越えられるよね」

さて行きますか、と閉会式が行われている中等部グラウンドに向かっていった
そして大はしゃぎの特力系を見つけ、杏樹は蜜柑を褒めに行った

鳴海「おめでとう♡蜜柑ちゃん！」
蜜柑「ありがと先生―！」
鳴海「初めてのアリス祭どうだった？」
蜜柑「もーすごく楽しかったー！」

笑顔で杏樹に返事をする蜜柑に背を合わせるように杏樹はしゃがんだ

鳴海「蜜柑ちゃん。随分待たせちゃってごめんね。コレおじいさんから言付かった手紙」

そして持っていた手紙を蜜柑に渡した
先日おじいさんに会ってきた時のもの

「よかったね。渡せて」
私はそっと呟いた
この先に嵐があろうとも、今が平穏なら…