【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ38)

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棗「何が事故だ！てめぇ！ペルソナっ！」

完全にぷっつんした棗
その次の瞬間、ガクッと体が沈んだ
棗の体調が良くない

…もしくは姫様が棗の周りだけ結界を強めたか
噛ませ犬な分、姫様の気に障るのだ

棗の炎から逃れるように零くんはのばらのアリス石を使っている
そのお陰で零くんも八雲も炎の被害に遭ってはいない

私は勿論結界を張っているけど、凄く熱い

視界の端で蛍が動き、発明品を構えながら照準を零くんに合わせている

でも私がそれに気付くという事は零くんも気付いている
零くんも零くんで、腐食のアリスの照準を蛍に向かわせている

蜜柑「あぶない蛍！」

また蜜柑が零くんの邪魔をする
動かない体で零くんに体当たりをして、アリスの狙いを歪めた

「っ…！」

私はその瞬間、蜜柑を空間で囲った
パァン！
腐食のアリスが空間に触れた瞬間、大きな音を立てて築いた空間は散った

ペルソナ「それがAの答えという訳か…」

なんとか蜜柑に腐食のアリスがかかることは無かったが、先程までの腐食をくらっているので酷いシミだ

蜜柑「神崎先生…」
「私の『答え』ね。…そんなの零くんは知ってるんじゃないの？」
ペルソナ「学生の頃からそっち側だったのは知っている」
「じゃあ今更ね」

私と零くんの関係は殆どの人が知らない
杏樹くらいは私が零くんと関わっていたのを知っているくらい
今の生徒達は何故ペルソナを零くんと呼んでいるかも知り得ない事だ

ペルソナ「…コリもせず無効化を試しに来たのかと思わず僅かにアリスを使ってしまった。安心しろ。他人がお前に触れたとしても伝染(うつ)ったりはしない」

零くんは私との事にため息を付くと、蜜柑に嫌味を投げつけた

蜜柑「よくも蛍やみんなにまでこんな恐ろしいアリス使おうとしたな。あんた、何者なん？みんなに、何のためにこんな酷いこと…。ウチはあんたを許さへん！これ以上あんたの思いどおりにはさせへん！」

先生が零くんを救い、零くんは蜜柑に刃を向けた
それが零くんの中でやはり何かがあった証拠
あの事件の裏を知らないけど、いつしか零くんは初校長の手下だった

ペルソナ「まだやられ足りないのか。次は死ぬぞ」

冷ややかな目で零くんは蜜柑を見下した
次仕掛けた時だって私が空間操作で弄ってやる

蜜柑「死ぬ事よりもウチにはもっと恐いことがある。みんな逃げて」
「…蜜柑も逃げるのよ。絶対に私が逃がす」