【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ30)

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宴が始まる前、漸くもっちもち粉の効力が消えて、くっついてる組がべりっと剥がれた
清々してて気持ちよさそう

姫宮「おや…。ようやく今になって戒めが解けたとは。どうせならここに来る前に解けてくれればよいものを。のう『紅蓮の君』」
「…姫様嫌味は控えて」
姫宮「ほほほ…」

しれっと棗の花名が決まり、その流れで流架も『向日葵の君』で決定
そのまま蜜柑の名前も決まるのかと思いきや宴の準備が整ったとの報告
準備がされた部屋に連れていかれると、ご馳走が並んでいる

…姫様もこういうご馳走が好きね

いただきます…と手を合わせ食事を平らげている
横目では花姫達が調子に乗って蜜柑を虐めているのが見えた

注意しようと思い、席を立とうとすると姫様が私を制した

姫宮「よい。暫く様子が見たい」
「姫様？」

何か思惑があるのか姫様は何も動かない様子
私でさえ制して、何を見極めるつもりなのか

その後も花姫達が百人一首を提案し、蜜柑に罰ゲームをさせて虐めている
それを私は何も出来ずに見ていた

静音「姫様。花姫達の振る舞いは少し行き過ぎかと。私と神崎先生の方から注意を…」
姫宮「よい。紫陽花にも話したが様子を見たいのでな。…見定めるのに丁度よい」
「見定める？蜜柑を？」

それっきり姫様は何も言わなかったけど、多分姫様も柚香先輩の娘だろうと勘ぐっている
柚香先輩も花姫だった訳だし、姫様と近しい存在だったから思う所はあるんだと思うけど

その後蛍が持ってきた福笑いをするとの事で私も誘われたけど、蜜柑の事も気になるし姫様の隣に居ることを選択した
ずっと様子を見ながら居ると、棗がトイレに行くと言い出した

立ち上がった棗に姫様が忠告をする

姫宮「紅蓮の…。1つ忠告を。案内された以外の場所にくれぐれも足を踏み入れようなどと思わないように。もしそれを破れば何が起こっても知りませんよ…」

姫様は口元を扇子で隠した裏で笑っていた
それを見て棗は姫様を睨んだ

棗「望むところだ」

そのまま棗はトイレを目指して部屋から消えた

姫宮「紫陽花も行くがよい。紅蓮は必ず妹を探して下に降りよう。…仮面の君が紫陽花を呼んでいるのであろう？」
「お呼ばれしたくなかったんですけどね。…すみません席を外します」

姫様は私が姫様を慕っているけれど、初校長からの呪縛に捕らわれている事をよく理解していた
私はお言葉に甘えて零くんの待つ場所へと向かった