【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ25)

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「裏切り者の末路は破滅と相場が決まっている」

強く掴んだその人はアリスを使った
私の声を聴いてか、アリスを使われてかは分からないけど掴まれていた手をバッと杏樹は離した

杏樹の腕に広がる黒いシミ

「零くん！」
ペルソナ「…あの方からの伝言、お伝えしましたよ。今後せいぜい調子に乗った行動は控えることですね」

頭に被っていた布が落ちると顔があらわになる
アリス使用で零くんだとは分かったけど、まさかちょっかいをかけにくるなんて

「零くん！」
去り行く零くんを追いかけようとしたけど、杏樹に腕を引かれ止められた

鳴海「行かなくていい」
「なんで止めるの！？こんなにされて！」
鳴海「僕がやったことの報いだ。…何をされるかまでは予想してなかったけど、何等かの罰を受ける事はわかってた。僕だけが苦しむならまだよかった方だよ」

杏樹はこう言ったけど、腐食のアリスは命を奪う
今回は少量のアリスを使われただけだったけど、いずれ腐食のアザは心臓にまで達するだろう

私が荒げていた声が少し離れていた場所に居た岬の耳にも入り、岬から心配の声がかかる
岬「どうしたナル、A」
鳴海「なんでもないよ♡」

まだ不服の私の手を引いて、零くんが座っていた場所を後にする

「…ソレ。悪くなったら病院行ってよ」
鳴海「わかってるよ。ありがとう。…ほら、仮面舞踏会始まるよ」

行っておいで、と私の背中を押した

「わかってると思うけど…」
鳴海「後で踊るんだろ。わかってるよ」

若干呆れ顔の苦笑いで送り出された
アリス祭の後夜祭に引き続き、クリスマスパーティーのダンスも踊る約束になっている
別に約束した訳じゃないけど

2人とも最初は生徒達が寄ってくるので、落ち着いた頃に踊るようになっていた
という訳で送り出され、私を慕ってくれている生徒達と踊った
別に仮面もせずに踊っている

ひと段落ついた頃、目立つ金髪の杏樹を探して肩を叩いた
「今空いてる？」
鳴海「平気だよ」

杏樹が差し出した手を取って、踊り始める

「まさか零くんが仕掛けてくるとは思わなかった。腐食のアリス使われるなんて…」
鳴海「あの人は根っからの初校長側だからね。指示されたら何でもやるさ。…でも仲の良いAには出来なかったんだろうね。だから手を穴だらけにしたんだよ」

まだ傷跡の残る私の手を見ながら杏樹は悲しそうな顔をした

「…そう、かもしれないね」