【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ22)

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Contents(43) ページ22

「神崎センセー！お願いしまーす！」
「はーい」

クリスマス会の準備日
空間操作のアリスの私は飾り付け班で引っ張りだこだった
ツリーの上の方に人を持ち上げるのが主

見ると蛍や流架なんかも駆り出されていて、皆働いていた
ツリーの上の飾り付けが終わると、また違うことに駆り出されている

私も片づけを瞬間移動や、テレキネシスで手伝いながら全体を見回す

トントン…
肩を叩かれ、後ろを振り返るとつまみ食いをしている翼が立っている

翼「大したことじゃねーんだけど、氷姫が蜜柑と居たからさ。ちょっと気になってな」
「…私に言われてもなぁ。私危力系じゃないっつの」
翼「っていってもAっち任務やってるしよー。頼んだわ！」

じゃ！と言ってそそくさと退散する翼
任されてしまった訳ですが、どうにもすることはない

ケーキ班の所に蜜柑が居るのを確認し、私は辺りを見渡した
すると少し離れた所で作業をしているのばらを見つける

「のばら」
のばら「神崎先生…」

近づいて話しかけると、驚いた素振りで私の事を視認してくれた
瑠衣ちゃんとは仲いいけど、他の子達とはそうでもないのよね
だから大抵私の認識は「初校長のお気に入り」または「任務してる教師」

「蜜柑と喋ってたって聞いてさ。どうしたの？零くんにでも頼まれた？」
のばら「えと…。私がしたくて…。先生は関係ないです」
「どう？蜜柑はいい子だった？」
のばら「とっても可愛くて、お喋りも楽しかったです…」

頬を赤らめ、蜜柑の事について話すのばら
のばら個人がしたことで、特に裏はないらしい
蜜柑への第1印象もいいらしく、これは放っておいても問題ないだろう

「よかった。手伝い終わったら気を付けて戻るんだよ」
のばら「ありがとうございます…」

のばらは零くんのお気に入り
氷姫っていう裏名付きで、危力系のお姫様なんて言われている
アリスの制御が不安定で、危力系の有名人

私みたく目をつけられてしまった人だ

その優しい性格から任務時はトランス状態(二重人格)になる
ゆえにのばらへの周囲の対応は冷たい
何とかなればいいけど、今はまだ無理かな

暫く歩いていると、クリスマス会準備には似つかわない全身黒服の零くんを見かける
多分のばらが勝手に出歩いていて、零くんが迎えに来たんだろう
のばらは普段こういう場所には出てこないから
…アリスの制御も不安定で、何より零くんのお気に入りだから