【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ19)

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鳴海「お陰で僕はあの日以来、いまだ愛も恋も分からない以前の僕に逆戻りだよ」

柚香「だめよ。返したらあんたまたあたしを追いかけるから。…恨むなら恨めばいいわ。あの時の事が許せないなら。…今も昔もあたしはあたしのやり方でしか動けないから。…あんたがあんたのやりたいようにしか動かないように」

確かにそうかもね
最近の杏樹の独断行動も、杏樹のやり方
そして学園を去った時の柚香先輩の行動も、柚香先輩のやり方
つくづくこの2人は似ていると思う

柚香「…ナル、A。どうしてあんた達は学園に留まっているの？あの日の約束を守ってくれてるの？それとも…」
鳴海「さあ…。どうだろうね。僕らにもわからないよ」

その答えを聞いて柚香先輩は振り返ってしゃがんだ
そして何かを草むらに置いて、志貴先輩と共に瞬間移動で消えてしまった

杏樹の呼びかけに一瞬こちらを見て、悲しそうな表情を浮かべて
…その表情
杏樹の脳裏にこびりつきそう

「…行っちゃった。…置いて行ったものなんだろう」
名残惜しそうに柚香先輩達が消えた場所を見つめる杏樹に声をかけた

近くに行ってみると小さな巾着袋で、中を開けるとアリスストーンが入っていた
「さて。一仕事ですね」
鳴海「Aが居るから楽勝だろ」

いつものように私をこき使おうとしてくる所
多分空元気

「はいはい。行きますよ」

減らず口を叩く杏樹を連れて、初等部の寮と中等部の寮に瞬間移動してアリスを盗られた被害者達にアリスを返却した
持ち主のアリスは触れるだけで吸い込まれるように入っていく

明日起きた時には彼らのアリスは元通りだ

寮を出て、職員の住処まで戻ってくる

「柚香先輩との会話。何か掴めた？」
鳴海「…さあ。先輩が何考えてるかなんてさっぱりわからなかったよ。…俺に付き合わせて悪かったな」
「いいよ。これからどうなろうが、私の気の向くままに過ごす。罰則なんて3歳から受けてるしクソくらえって感じ」

多分初校長は何かを仕掛けてくる
それがいつなのか、何なのかわからないけど

「私の事より、棗や蜜柑の事心配しなよ。多分棗は零くんが罰則を与えるだろうし、問題行動続きの蜜柑だって」
鳴海「出来るだけ俺が守るよ。あの子達は俺の生徒だから」

私も翼を気にかけないと
なんだかんだ今回はやばい山だったわけだし

「じゃあまた明日」
鳴海「おやすみA」