【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅱ (ページ18)

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Contents(40) ページ18

『柚香先輩は来るかな』
鳴海『きっと来るさ』

2人で雑談をしながら夜が過ぎるのを待った
日付が変わった頃その時は急に訪れた

風を切り裂くように2人は現れた
高等部の穴と瞬間移動を利用してここにやってきた

柚香「ナル…。A…」
鳴海「久しぶり、柚香先輩」

あの頃とはもう何もかも違う
そんなの分かっている
だけどあの頃の思い出が蘇ってきた

「志貴先輩もお久しぶりです」

私が会釈をすると志貴先輩も返してくれた

鳴海「ここに居れば必ず会えると思ってた。蜜柑ちゃん達に会えば、先輩は必ず先生のとこ(ここ)に来ると思ってたから。…うちの子達が随分お世話になりまして。子ども達はどこに？」

杏樹の鋭く柚香先輩を射抜く目も、柚香先輩の揺るがない意志がある目も
どちらも私には怖かった

柚香「知らないわ。運が良ければ今頃、自力で学園に戻ってる筈」
鳴海「そう…。じゃあちゃんと帰してくれたんだね。蜜柑ちゃん(あの子)ともちゃんと会えたんだね。…どうだった？」

きっと高等部の穴から戻ってきてる筈
あの子達ならきっと

柚香先輩は少し黙った後続けた

柚香「生意気なクソガキだったわ。…あたしを真っ向から睨みつけて、嫌なくらい同じ目をしてた。あれがあたしの子。…まさかアリスとして学園にいたとはね」
「…蜜柑は柚香先輩にそっくりだと思う」
鳴海「僕もそう思う。真っすぐで何にもくじけない、諦めない。時々僕には眩しくて。でも目を背ける事が出来ないんだ」

杏樹が棗が変われるようにって、蜜柑をパートナーにした
それは蜜柑が無効化のアリスで先輩と先生の子って直感した時から、柚香先輩のように先生のように明るい子だと分かっていたんだと思う

鳴海「…用件を言うよ。あなたが奪った子ども達のアリス。それとあの日僕から奪ったアリス。それと一緒に奪ったものを返して欲しいんだ」

柚香先輩は少し俯いてから杏樹の事を真っすぐに見た

柚香「奪うつもりはなかった。手元が狂ったのよ。あんたが初めてあたしにアリスを使おうとするから。あんたがあんまり本気だったから。…あたしはあんたの本気にもう一生答える事は出来ないから。…あんたの未来をあたしから断ち切りたくて…」

柚香先輩
でもね、杏樹は断ち切れなかったんだよ
むしろ柚香先輩への未練が増すばかりで、いつも柚香先輩の事を考えていた

私の事は眼中にない