【学園アリス】MEVIUS Ⅱ (ページ8)

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その後は「アリス紛失事件」から話題が逸れてくれ、事なきを得た

ほっとしていたのも一瞬で、もう危ない橋を渡らずに済んだと思った殿内先輩に腕を引かれる
殿内「A、ちょっと」

いつの日かみたいに廊下の隅の角に連れて行かれる

殿内「…さっきの野田先生とお前。この紛失事件には何が絡んでいる…?」

真っ直ぐと芯で捉える目を向けられる

「…先生達には混乱を防ぐ為に詳細を喋ってはならないという通達が来ている。
のだっちが言ったのは最低限…だと思う。私はそれをカバーしただけ、だけど。
ウイルスの線ではないことは私もそういう見立てをつけているし、間違ってはない筈。

それと中等部に紛失者が出たのは知っての通り『本当』だけど、
パニックになりかねないから秘密。ウイルスじゃないなら拡大はしないからね。

この件については私は動かざるを得なくなる。…どう転んでも危険能力系だから。
殿内先輩にもいずれ何らかの形で協力要請が出るんじゃないかな」

掴まれている腕がそろそろ痛い

殿内「Aはこのこと誰から…」
「校長先生、直々。私の事誰だと思ってるの先輩」

その言葉を聞いた先輩はハッとする

「…別に先輩や皆に不利になるように動くつもりはないよ。
告げ口もしないよ。敵に潜入する味方だと思っていただければ」
殿内「『夢魔』も、大人になったもんだな」
「…お褒めに預かり光栄です」

そういうと先輩は手を離してくれた

「そういえば、お願いがあって」
殿内「なんだよ、お兄さんに言ってみ?」

…いつ私の兄になったのだろう

「この間先輩のアリスストーン使いすぎちゃって…くれないかなって」
殿内「そんなことかよ」

頭に手が伸びてきて、頭をわしゃわしゃされる
ナルに撫でられるのとはまた別の感覚

殿内「いつでもやるよ、石くらい」
そう言って石を渡される
流石仕事が早い

殿内「そういえば、Aまだ煙草やってんの?」
「あー…まぁ。でも先輩みたいに所構わず吸ってるワケじゃないよ。
任務終わりに、寝れなくて、煙草を吸うの」

一瞬顔をしかめた先輩

殿内「Aは優秀って言ったってまだ中学生なんだから、深い闇に呑まれてんじゃねーよ。
ちったー俺みたいなのを頼れよ。少なくとも俺には聞かせろよ。…たまには甘えろっつーの」

更に頭をわしゃわしゃとされる
折角の髪がぐちゃぐちゃだ

「女好きの先輩も偶には良いこと言うんだね」
殿内「いつもだろ!」

そういった会話をしながら特力の教室に戻った