【学園アリス】MEVIUS Ⅱ (ページ27)

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手を引かれて本部にやってくる
走ったから息が上がっていて流石の私といえど苦しい

道中は無言
勿論アリス防御シールも貼られている

本部を歩き回り、ようやく殿内先輩を見つける

恐ろしい笑顔
目は笑っていない

鳴海「殿内君♡」
殿内「鳴海、先生と…A…なんで…っ」

引きずられている私をみて、正直ビックリしているだろう
ナルが岬先生から盗んだムチ豆で私は拘束されている

正直言って私もこんな姿嫌だ…

そして足早に殿内先輩は逃げていく

鳴海「あれー?何で僕の顔見て逃げるのかなー?
しかも用意周到に『フェロモンガード』飲んじゃってー♡かわいくないなー!」

ムチ豆を使って私と同じように殿内先輩をギリギリと拘束していく
やはり先輩もナルへの対策を行なっているようで、フェロモンが効かない

…そしてまじで顔が怖い

殿内「すいません、俺急いでるんで…」
逃げようとしているが逃げることができない先輩
諦めた方がいいよ、私も逃げられないもの…と目で訴える

鳴海「君んとこ(特力)の美咲ちゃんだっけ?吐いたよ♡」

殿内「っ!!…Aは…」
鳴海「Aは何も知らないんだってー♡この件に関与した人物については知ってるのにー♡」

気まずい
胸が痛い
やめて…

殿内「何のこと言って…」
これ以上ムチ豆で拘束されている中、前に進めないとわかったのか後ろをゆっくりと振り返る

鳴海「それはこっちのセリフだよー♡
君らが影で何してようが正直どーでもいいんだけど、
ウチの子達の暴挙に手を貸す程バカってなると話は変わるんだよねー♡
しかもAの口まで封じちゃってさー♡」

その顔で私を見つめないで…
恐ろしくて心臓が凍る

殿内「…鳴海せ…」
鳴海「勿論僕としてもこの件はなるべく大事(おおごと)にしたくはないから、
そのためにもいろいろとききたいことがあってね。
特に蜜柑ちゃん達が捜しに行ったっていう『高等部の穴』について
一体何なのか説明してもらおうか…」

先輩の言葉に言葉を被せるナル

本当に喋っていないのか、と殿内先輩の目が私を訴えてくる
だから約束したのに

猫を被っていないナル
フェロモンを撒き散らしているから普段の面影はあるものの、巫山戯た態度はしていない
それに表情は私ですら恐怖を覚える程

殿内先輩が表情に怖気付いていると、近くを今井先輩が通り過ぎた

昴「…殿内何してる会議に遅れる気か」
殿内「じゃ、先生失礼します」

そうして殿内先輩は逃げて行った