【学園アリス】MEVIUS Ⅱ (ページ21)

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昴「侵入などせずにAのように入ってくればいいものを」
「そうですね…。私も本来であれば高等部に来るべきではないのですけど。
…侵入者、何やら初等部生のようですよ、先輩」
昴「…厄介な」

そんなことを言いながら、再び生徒会資料に目を通した
するとガチャガチャと生徒会室のドアノブが回る

今井先輩をチラッとみると気づいているみたいだが、気にも留めていないようだった

ドアノブ付近を注意深く見ると、見知った影が動いているのが見えた
まさか、侵入者って翼…?
誰の手引きもなしに高等部には来れないところを踏まえると殿内先輩もいるだろう
一体何をしに…

蜜柑「すごーいあいたー!」
翼「ハッハッハー、すごいだろー」
殿内「はよ入れっちゅーに…」

やっぱりか…

昴「…感心できない入室の仕方だな…。ノックの一つもない上に、果てはコソ泥の真似か?」

生徒会室に入室できた喜びで周りが見えていなかったのだろう
皆の顔が引き攣っていく
侵入者は殿内先輩、翼、棗、蜜柑、乃木流架

いつものメンバーに先輩を付け加えた感じか…

昴「例の初等部生侵入の件は君達か?…どういう事だ殿内」

矢継ぎ早に責め立てていく今井先輩

昴「何故君達がここに?」
殿内「や…これは、その…。色々と深い事情があって…」
(コイツは病院、Aや他生徒会役員は全員本部に残ってるハズじゃなかったのかよ～)

「深い事情ってナニ…」
櫻野「僕も知りたいね。君達がここにいる理由」

先程翼が開けたドアの奥から櫻野先輩が顔を出す

「櫻野先輩…」
殿内「櫻野っ…」

櫻野先輩が今井先輩と私の方に歩み寄ってくる
机に持っていた資料を置くと、いよいよ2人で殿内先輩を責め始めた

昴「殿内、何故黙っている。それとも答えられない理由なのか?」

「…っ」
どうやらあまりにもな理由をお持ちらしい
私とも目が合わない

蜜柑「ウ…ウチのせいなんですっ。ウチが…ウチがムリ言ってここまで連れてきてもらって…。
ウチの親友が…蛍が事件で大怪我して、だから…だからあいつら追うためにここに…っ」

私たちはゆっくり顔を見合わせた

「蜜柑、それでは貴方達がここに居る説明にはなってないのよ」

棗「…ユーレイ」
「棗…」

棗「お前ら、俺達がここを彷徨いている理由なんてとっくに察しがついんだろ」

…高等部の穴か
以前少し説明されたのを覚えている

…多分先輩達も気づいている
翼達がココにいる理由

昴「…何を」