【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 (ページ28)

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Contents(21) ページ28

「日向棗が脱走を計画してる？」
鳴海『彼は頭良いからそんな事考えないと思うけどね。多分誰かにそうするように唆(そそのか)されたんだと思う』
「杏樹は助けに行くんでしょ。このままじゃ脱走して捕まって零くんに罰則貰うだけだし」
鳴海『まあね』

杏樹との電話を切り、椅子の背もたれに思い切り背中を預けた

棗は頭がいい
初等部B組にして星階級はスペシャル
アリスの強さも制御も完璧で申し分ない

だからこそ任務に利用されている
…それ以外にも理由はあったりするけれど

『ペルソナ』のお気に入りと言われ、日々任務に連れていかれている

今日は杏樹の所にメモが落ちていたらしく、内容は日向棗が脱走を計画しているというモノ
そもそも棗は1人で考える筈だから、そういった情報があるのもおかしい

…と杏樹も私も考えており、これは誰かに嵌められたと考えるのが妥当だった

だけどこの件を放置しておく訳にも行かず、杏樹は担任として様子を見に行くことになった
事実かそうじゃないかは夜確認するとして、私は自分の仕事を片付けなければならない

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「それでどうだったの？」
鳴海「聞かなくても知ってるだろうに」

杏樹は頬杖をついてため息をついた
顔は半分笑っている

「そっちの件(･････)は知ってるけど、棗の方だよ」
鳴海「本人は何も言わなかったけど、流架くんの方が口を割ったよ。お父さんとの手紙を全部止められてるから、脱走できたらそれを横流ししてやるって言われたんだって。…嘘に決まってるのにね」

親との連絡遮断
厳しい罰則としてこの学園に存在しているものだ

「棗にとって家族は何より大事だと思うし、悪いとは言わないけど。それをダシに脱走っていう手段を取らせた相手をとっちめてやりたい」

棗が入学する前
こぞって先生達がスカウトに行っていた時、私も潜在系だから勿論行ったことはある

その時知ったけど棗は五十嵐先輩の子どもだった
何の偶然か五十嵐先輩の子どもに引き合わされる事になった
…アリスは父親のを継いだみたいだけど、五十嵐先輩に容姿も似てるしあの時を彷彿とさせた

そして件(くだん)のこと
何かの運命としか思えなかった

「それで新しい入学者を招き入れてどういうつもり。初校長に杏樹が連れてきた新しい子が入るって言われて頭こんがらがったよ。棗の脱走止めに行っただけなのにって」