【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 (ページ23)

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あれから数週間程経った
やっぱり柚香先輩は外に出たみたいで、私たちの前に姿を見せることは無かった

志貴さんもあれから私たちには接触して来ていない
何があったのか私は知らないけど志貴さんなら知っているかも、と思ったりもした
だけど何も話してくれない以上聞く必要はないだろう

初校長が何者かに襲撃された、と噂が流れ今に至るが当の初校長は柚香先輩と同じく私たちの目の前に姿を見せなかった

襲撃されたというのはどうやら本当のようで、生きてはいるみたいだった

お陰様で入ってくる任務も落ち着き、平穏な毎日を過ごしていた

だけど今日
初校長に私と杏樹揃って呼び出された
まだ体調が良くないのか呼び出された場所は病院だった

係の人に案内され、集中治療室に案内される
…一体柚香先輩は何をしたら、初校長という人物を集中治療室に入れられたのだろう

部屋に入ると、ベッドに横たわる初校長の姿
その姿は心做しか、若返っているように見える
…幼い

柚香先輩
貴方は何をしたの

先輩は何者なの

初校長「…君達2人は私のお気に入りだ。これ迄以上に頼りにしている。私の傍で私の為に働いてくれ」
「…はい校長先生」

私達に拒否権なんてある訳なかった

前から柚香先輩の為に自分を犠牲にした
それは柚香先輩が居なくなった後も続くみたいだった

こうして私達は初校長に利用されていくんだ

初校長はまだ回復しきっていないようで、すぐに病室を追い出された
交わした言葉はたったあれだけ

鳴海「…結局俺達はアイツに利用されたままか」
「柚香先輩はあの人に何をしたんだろうね。何を盗んだらあんな姿になるんだろう」

そもそも初校長のアリスですら知らないし
何が起きればあのような事になるのか一切不明だった

鳴海「…俺達にとってプラスになってるとしか思う他ないけど。…っち。卒業までやり抜いてやるさ」
「…頑張るか」

杏樹が卒業まで頑張るなら私も頑張るしか無かった

「大丈夫。柚香先輩がやってくれた事は私たちにとってきっと何かがプラスになってるよ。私はあの子たちを守るから」

桜野くんや今井くん
そして零くん

彼らを初校長から守るしかない
私たちのように利用させたりしない

鳴海「ま、Aがいるんじゃ頑張ってみてもいいかな」
「よし、その言葉信じるからな杏樹！」
鳴海「受けてたってやる」

初校長に会って気分は嫌だった筈なのに杏樹が居るから乗り切れる
卒業までこのままなんとか乗り切りたい