【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 (ページ18)

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Contents(15) ページ18

あれから暫くして先生は急に居なくなった
学園中で大きな噂が広まっていて、尾ヒレがついて回っており何が真実かわからない状況だった

私も杏樹も疑問に思うまま、与えられた任務をこなしていた
ただ1人、毎日先生の帰りを待つ柚香先輩だけは憔悴しきっていた

そしてある日の朝
中等部のグラウンドに学園中の生徒、先生が集められての集会が開かれた

神妙な顔をした高校長が、壇上に立って口を開いた
そこから紡がれた言葉は頭を鈍器で殴られたかのような衝撃的な言葉だった

『行平泉水先生が亡くなった』

何がどうなればそういう事態になるのか全くわからない
私や杏樹、岬は立ちすくむ事しか出来ず、唯ただ言葉を失い何も言葉にならなかった

原因不明の死と説明され、わけも分からずお開きになった
帰る途中でジサツかもしれないし、事故かもしれないし、分からないけど原因不明の死なんておかしいという声を何度も聞いた

トントン…
肩を叩かれ、振り返ると志貴先輩がそこにはいた

志貴「柚香の所に行くんだけど、来る？」

そう告げられ、私も杏樹も2つ返事で志貴さんの後を着いていった

志貴さんに案内してもらい、ノックをしてすぐに柚香先輩の部屋に入り込む

杏樹「柚香先輩！」

床に座り込んでいた柚香先輩をそっと支える私達

志貴「柚香…」
「柚香先輩…」

柚香「嘘…。先生がジサツするだなんて嘘よ。理由も言わず事故なんて…。そんなの有り得ない！」

息を乱して、泣きながら柚香先輩は言った
私達も同じ気持ちだった
先生がジサツだなんてそうは思わない
…何かあったに決まっている

柚香「行平校長は何も言わなかったけどわかる。先生に初等部校長の事で何かがあった事くらい」

…絶対にあの人が絡んでいるに違いない
ずっと先生の事を目の敵にしていたあの人なら…

志貴「ここに来る前にこの不自然過ぎる事態の…事実を把握したくて、高等部校長も僕も…野田のタイムトリップのアリスで行平先生に何があったのか過去を探ろうと思ったんだけど、その野田が数日前から今回の件の捜査要員としていきなり初等部校長に招集されてまだ…戻ってきて居ないんだ」

柚香先輩に連れられて何度か訪れた特力系の教室で顔を合わせたことのある野田先輩
タイムトリップのアリスは過去や未来に飛べる便利な代物

その先輩が捜査要員として引っ張りだされているという事はやはり何かある